ほうれい線を消すには何が有効?美容医療ドクターが分かりやすく解説

2025.08.04

ほうれい線を消すには何が有効?美容医療ドクターが分かりやすく解説

鏡を見たときにふと目につくほうれい線は、実年齢よりも老けた印象を与えがちです。そのため、年齢とともに目立ってくるほうれい線が気になり、改善するには何が効果的なのか悩んだり、美容医療を検討したりしている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ほうれい線ができる原因や消す効果に期待できる治療法について詳しく解説していきます。費用の目安や予防のポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもほうれい線とは?

そもそもほうれい線とは?

ほうれい線とは、小鼻の横から口角にかけて伸びるシワ(溝)のことです。年齢を重ねたり、生活習慣が乱れたりすると目立ちやすくなり、顔全体の印象を大きく左右します。

ほうれい線が深くなると、実年齢よりも老けて見えてしまいます。また、ファンデーションやコンシーラーでほうれい線を隠そうとしても、溝のあいだに入り込み、かえって目立つことがあります。そのため、ほうれい線を消すには、できた原因に合わせたケアをすることが必要です。

ほうれい線ができる原因

ほうれい線ができる原因

ほうれい線ができる原因はひとつではなく、以下のようなさまざまな要因が関係しています。

  • 脂肪や顔の筋肉のたるみ
  • 皮膚の老化
  • 骨格の変化
  • 姿勢の悪さ
  • 紫外線や乾燥
  • 表情のクセ

ここでは、それぞれの要因について分かりやすく解説していきます。

脂肪や顔の筋肉のたるみ

脂肪や筋肉のたるみは、ほうれい線の原因になります。加齢や重力によって脂肪や筋肉が少しずつ下へ移動すると、皮膚と脂肪を骨に固定する「リガメント」という組織がゆるみやすくなるためです。

リガメントによる支えを失うと、頬はたるんだ状態になってしまいます。その結果、口元に深いシワができ、ほうれい線が目立つようになるのです。

皮膚の老化

皮膚の老化は、ほうれい線を深くする大きな原因です。肌のハリや弾力は、真皮層にあるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸によって支えられています。

  • コラーゲン:肌の構造を支える骨組み
  • エラスチン:骨組み同士をつなぐゴムのような役割を担う
  • ヒアルロン酸:水分を抱え込み、潤いを保つ

以上の成分を作りだす線維芽細胞は、加齢や紫外線ダメージの蓄積で働きが低下してしまいます。繊維芽細胞が劣化すると、肌のハリが失われてほうれい線が進行するため、注意が必要です。

骨格の変化

骨格の変化もほうれい線に大きく影響しています。なぜなら、頬骨や上顎骨が痩せて萎縮すると、ほうれい線が深くなってしまうからです。

皮膚や脂肪を支える土台である骨が小さくなると、上にある皮膚が余ってしまいます。テントを支えるポールが低くなると、張ったテントがたるむのと同じイメージです。

骨格の変化による皮膚のたるみが、ほうれい線の溝をより深く目立たせてしまいます。

姿勢の悪さ

日常生活での姿勢の悪さも、ほうれい線を深くする原因です。とくに、スマートフォンやパソコンの長時間の利用や猫背には注意が必要です。

顔の筋肉は、首・鎖骨・体の前側の筋肉とつながっています。猫背のように背中が丸まり、首が前に出た姿勢を続けると、首の前側にある広頸筋(こうけいきん)が縮んで硬くなります。広頸筋は口角を下げる働きがあるため、常に顔の皮膚を下に引っ張る力がかかり、頬のたるみやほうれい線を悪化させます。

無意識に悪い姿勢を続けていると、顔の老化を早める可能性があります。日頃から正しい姿勢を意識して生活しましょう。

紫外線や乾燥

紫外線は、肌の老化を進める代表的な要因です。肌の老化によりハリや弾力を失うと、たるみやほうれい線の原因となります。

波長の長いUVAは真皮層まで届き、線維芽細胞にダメージを与えてしまいます。そのため、紫外線を長い間浴びるとコラーゲンやエラスチンが変性して硬くなり、切れやすくなってほうれい線の進行へとつながります。

同じように、乾燥もほうれい線をつくる要因のひとつです。乾燥すると肌のバリア機能が低下し、外からの刺激に弱くなります。潤いを失った肌は柔軟性をなくし、表情筋の動きに連動できず収縮した状態が続きます。

その結果、表情の動きでできたシワがもとに戻らず定着し、やがて深いほうれい線ができてしまうのです。

表情のクセ

何気ない表情のクセも、ほうれい線ができる大きな原因です。

同じ表情を繰り返していると特定の筋肉だけが使われ、皮膚に折り目がつきやすくなります。さらに、左右非対称な動きは筋肉バランスを崩し、片側だけのほうれい線を目立たせることがあります。

口角を「へ」の字に下げる・頬杖をつく・片側の歯で噛むなどのクセも要注意です。また、無表情でいる時間が長いと表情筋が衰え、たるみの進行を加速させます。

日頃から口角を上げるなどポジティブな表情を意識して、ほうれい線を予防しましょう。

【自宅でできる】ほうれい線を改善する方法

【自宅でできる】ほうれい線を改善する方法

ほうれい線を消す美容医療に頼る前に、自宅でできるケアから始めたいと考える方も多いでしょう。自宅でできるほうれい線の改善方法には、以下のようなものが挙げられます。

  • 表情筋のトレーニングをする
  • マッサージをする
  • 生活習慣を見直す
  • スキンケアを徹底する

ここでは、それぞれの方法について紹介していきます。

表情筋のトレーニングをする

表情筋を鍛えることで、頬のたるみを引き上げ、ほうれい線を目立たなくする効果に期待できます。表情筋のトレーニングを習慣化することで、ほうれい線の改善に近づくことができます。朝のメイク前、夜の入浴時や入浴後のスキンケア時に取り入れると継続しやすいでしょう。

【唇を前に出すトレーニング】

1.口を「う」の形にし、前に突き出す(5秒間キープ)

2.「い」の形に変え、首全体の筋肉を引き上げる

3.1と2を10回ほど繰り返す

唇を前に出すトレーニングは、口の周りにある口輪筋や頬まわりの筋肉を鍛えるのに効果的です。最初はぎこちなく、顔がつりそうに感じるかもしれませんが、続けるうちに少しずつ可動域が広がりスムーズに動かせるようになっていきます。

【口角アップトレーニング】

1.口を閉じ、口角を限界まで引き上げる

2.その状態を5秒間キープする

3.ゆっくりと元の表情に戻す

4.1~3を10回ほど繰り返す

口角アップトレーニングでは、口輪筋や頬の筋肉が自然に働き、ほうれい線まわりの血行が促されます。正しい姿勢でトレーニングをおこないましょう。

以上の表情筋トレーニングの際は、呼吸を止めずにおこなうことが大切です。毎日少しずつ続けていくことで、口周りに変化がでてほうれい線の改善につながります。

マッサージをする

マッサージにより顔の血行を促進し、老廃物の排出を助けることでほうれい線の改善に期待できます。

【血流改善マッサージ】

1.人差し指と中指で鼻の脇をやさしく押さえる

2.そのまま頬に向かって、指先で小さくくるくる円を描いてやさしくほぐす
(約20〜30秒)

3.鼻の脇から骨のくぼみへと指をすべらせてさする

4.1~3を3回ほど繰り返す

やさしくマッサージすることで、口周りの筋肉がほぐれ血流もアップします。

【リンパ流しマッサージ】

1.クリームやオイルを顔全体に薄くなじませる

2.両手の指の腹で、鼻の脇からこめかみに向かってマッサージする

3.こめかみから鎖骨へゆっくりとリンパを流すイメージでさする

4.1~3を3回ほど繰り返す

強い力でこすると肌への摩擦が刺激となり、逆効果になる可能性もあるため注意が必要です。マッサージクリームやオイルを使い、優しく滑らせるようにおこないましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣が乱れていると、肌の老化が進んでほうれい線の原因になります。以下を参考にして、生活習慣を振り返ってみましょう。

十分な睡眠をとる睡眠中に分泌される成長ホルモンは、日中に受けた紫外線などの皮膚ダメージを修復し、肌のターンオーバーを促進する。
質のよい睡眠を6〜8時間確保するのが理想。
禁煙を心がけるタバコに含まれるニコチンは血管の収縮を促して血行を悪化させるため、たるみ・シワ・毛穴の原因となる。
ストレスをためない過度なストレスは活性酸素を増加させる。適度な運動や趣味の時間をつくり、上手にストレスを発散させるのもひとつの方法。
糖質の摂りすぎを控える過剰な糖質は体内でタンパク質と結びつき、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を生成する。AGEsはコラーゲンを変性させて肌の弾力を失わせるため、ほうれい線に影響する。
バランスのよい食事を心がける主食・主菜・副菜がそろったバランスのよい食事をとる。なかでも、果物や乳製品は積極的に取り入れるようにするとよい。

スキンケアを徹底する

毎日のスキンケアは、ほうれい線を防いで目立たなくするための基本となります。

肌の乾燥は、シワをほうれい線へ進行させる大きな原因になります。そのため、肌に十分な潤いを与え、その潤いを逃がさないことが大切です。

化粧水で水分を補給したら、乳液やクリームで油分の膜をつくり水分の蒸発を防ぎましょう。また、シワの改善が期待できる成分が配合されている美容液を取り入れるのもおすすめです。

ナイアシンアミド●肌のバリア機能を強化し、水分保持能力を高める
●乾燥による小ジワを防ぐ
レチノール●コラーゲンの生成をサポートする
●肌にハリを与えることで、シワの改善が期待できる
ペプチド●コラーゲンやエラスチンなどの生成を促進する
●肌のハリ感アップが期待できる

以上の美容成分は、乾燥による小ジワを目立たなくする効果が期待できるため、ぜひ参考にしてください。

ほうれい線を消すには美容医療がおすすめ

ほうれい線を消すには美容医療がおすすめ

セルフケアはほうれい線の予防や悪化を防ぐうえで重要ですが、すでに深く刻まれてしまったほうれい線を消すのは難しいといわれています。確実にほうれい線を消したい方には、以下のような美容医療がおすすめです。

  • ヒアルロン酸注入
  • 脂肪注入
  • 糸(スレッド)リフト
  • 医療HIFU(ハイフ)
  • 脂肪吸引
  • 切開リフト(フェイスリフト)
  • ボトックス注射
  • PRP皮膚再生療法

ここからは、ほうれい線を消す代表的な美容医療について詳しく解説していきます。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入は、ほうれい線治療のなかでも人気の施術です。気になるほうれい線の溝にヒアルロン酸を直接注入するため、施術直後からふっくらとした変化を感じられます。

短時間の施術でダウンタイムも比較的少ないため、初めて美容医療に挑戦する方にも選ばれやすい治療です。

一方で、注入したヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されるため、効果を維持するには一定期間ごとのメンテナンスが必要になります。

施術方法ほうれい線の気になる部位(溝)に注射器で薬剤を直接注入する
施術時間10~15分程度
ダウンタイムほぼない(内出血や腫れが出た場合は2週間程度続くことがある)
メリット●体内に存在する成分のためアレルギーリスクが低い
●傷跡が目立ちにくい
●注入直後から効果を実感できる
デメリット●体内に吸収されるため、定期的なメンテナンスが必要
(半年~1年半程度が目安)
●内出血や腫れのリスクがある

脂肪注入

脂肪注入は、自分の体から採取した脂肪をほうれい線に注入する治療法です。自分の組織を使うためアレルギーの心配が少なく、定着すれば長期間の効果維持に期待できるのが特徴です。さらに、自然な仕上がりに加えて肌質改善の効果も見込めます。

ただし、脂肪の定着には個人差があり、採取部位にもダウンタイムが生じる点には注意が必要です。

施術方法採取した自分の脂肪を遠心分離器等で処理して不純物を取り除き、改善したいほうれい線の部位に直接注入する
施術時間1〜2時間程度
ダウンタイム注入部位・脂肪採取部位に数日~数週間の腫れや内出血がみられる
メリット●脂肪が定着すれば半永久的な効果が期待できる
●自分の組織であるため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低い
●自然な仕上がりになる
●脂肪に含まれる幹細胞により、肌質の改善効果にも期待できる
デメリット●脂肪の定着率に個人差がある
●脂肪を採取した部位にもダウンタイムがある
●しこりができるリスクがある

脂肪注入については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

>>顔の脂肪注入施術とは?効果やリスクなど徹底解説

糸(スレッド)リフト

糸(スレッド)リフトは、特殊な糸を皮下に挿入して、たるんだ皮膚や脂肪を物理的に引き上げる治療です。施術直後からリフトアップ効果を実感しやすく、コラーゲン生成が促されるため、肌のハリや弾力アップにも期待できます。

ただし、糸は体内で徐々に溶けて吸収されていきます。そのため、使用する糸の種類によっても異なりますが、効果が維持できるのは半年から1年ほどといわれています。また、重度のほうれい線には十分な改善が得られにくい場合があります。

施術方法コグ(トゲのような突起)のついた糸を皮下に挿入し、皮下脂肪や皮膚を上に引っ張る
施術時間1時間ほど
ダウンタイム1週間程度の腫れやむくみ、引きつれ感などがあらわれることがある
メリット●施術直後からリフトアップ効果を実感できる
●将来的なたるみを予防する効果がある
●コラーゲン生成を促進し、肌のハリ・弾力アップにつながる
デメリット●ほうれい線が重度の場合は、効果が得られにくいことがある
●効果の持続期間が短い(溶ける糸の場合、半年~1年ほど)
●継続する引きつれ感・肌表面の凸凹などが生じることがある

糸リフトについても以下の記事で解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

>>糸リフトの効果とは?持続期間やリスクについて徹底解説

医療HIFU(ハイフ)

医療HIFU(ハイフ)は、超音波を肌の深い層に照射してリフトアップさせる治療法です。切開の必要がないため傷跡が残らず、ダウンタイムもほとんどないため、忙しい方や美容医療が初めての方にも受けやすいのが大きな魅力です。

施術は30分〜1時間程度と比較的短時間で、肌への負担も少ないとされています。ただし、照射後に一時的な赤みやむくみがでる場合があり、効果のあらわれ方や持続期間には個人差があることを理解しておきましょう。

施術方法専用の機器を皮膚にあて、皮膚の内部(SMAS筋膜など)に超音波を照射する
施術時間30分~1時間ほど
ダウンタイムほとんどない(むくみや赤みは数時間程度で治まることが多い)
メリット●メスを使わないため傷跡が残らない
●肌へのダメージがほとんどない
●ダウンタイムが短い
デメリット●熱によるダメージから一時的に赤みが出ることがある
●効果のあらわれ方に個人差がある

脂肪吸引

脂肪吸引は、口元やフェイスラインにたまった余分な脂肪を取り除くことにより、顔全体をすっきりと見せ、ほうれい線の予防や改善につなげる治療です。

脂肪そのものを除去するため効果を維持しやすく、リバウンドしにくいのが特徴です。また、顔全体のたるみ予防にも役立つため、年齢による変化が気になる方に適しています。しかし、たるみが強い場合は脂肪吸引だけでほうれい線を改善するのは難しいため、フェイスリフト(切開リフト)とあわせておこなうケースが多くみられます。

脂肪吸引は、ほかの治療に比べてダウンタイムが長めで、腫れや内出血が数週間続く場合もあります。さらに、脂肪を取りすぎると頬がこけてしまうリスクがあり、仕上がりは医師の技術力に大きく左右されるため信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。

施術方法口の内側や耳の下をごく小さく切開し、細い吸引管を挿入して脂肪を取り除く
施術時間30分ほど
ダウンタイム痛み・内出血・むくみ・拘縮などが2週間~1か月ほど続くことがある
メリット●効果の持続性が高い
●脂肪細胞そのものを取り除くため、リバウンドしにくい
●顔のたるみを予防する効果がある
デメリット●ダウンタイムがほかの治療に比べて長い
●脂肪を取りすぎると頬がこけるリスクがある
●医師の技術力により仕上がりが左右される

切開リフト(フェイスリフト)

切開リフトでは、こめかみ~耳の前~耳のうしろ~うなじの手前までを切開し、顔全体のリフトアップをする施術です。また、余分な皮膚や脂肪も除去することができるため、重度のたるみがある方が確実にほうれい線を改善をしたい場合、切開リフトが適応となるでしょう。

また、切開リフトでは、ほうれい線の原因となる皮膚のたるみや脂肪に直接アプローチするため、効果は半永久的に持続します。施術費用はほかの施術よりも高額ではありますが、定期的なメンテナンスの必要がないため、対費用効果は高いといえます。

ただし、施術を検討する際は、広範囲にわたって切開をするためダウンタイムが長く、医師の技術力が求められる難易度の高い施術であることに注意が必要です。

施術方法皮膚を切開し余分な皮膚・脂肪を取り除いてリフトアップする
施術時間3~7時間ほど(切開の範囲やクリニックにより施術時間は異なる)
ダウンタイム腫れ・内出血:1~2週間ほど
痛み:1週間ほど
むくみ:1~3か月ほど
メリット●重度のたるみ・過剰な脂肪があっても根本的な改善が可能
●一度の施術で半永久的に効果が持続する
●ほうれい線以外の悩み(たるみ・シワ・クマ)も解消できる
デメリット●ほかの施術よりもダウンタイムが長い
●医師の技術力により仕上がり(傷跡も含む)が左右される
●費用が高額
切開あり

ボトックス注射

ボトックス注射は、筋肉の働きを一時的に弱めることで表情ジワを軽減し、ほうれい線を目立ちにくくする治療です。

施術自体は10~15分程度と短時間でダウンタイムもほとんどないため、忙しい方や初めて美容医療を受ける方でも受けやすいことが魅力です。即効性があり、日常生活に支障をきたしにくいのもメリットといえます。

ただし、効果は数か月程度と一時的で、ほうれい線の原因によっては逆にシワが強調されてしまう場合もあるため、事前のカウンセリングでしっかりと確認することが重要です。

施術方法ボツリヌス菌から抽出された成分をもとに作られた製剤を注射する
施術時間10~15分ほど
ダウンタイムほとんどない(人によっては内出血や腫れが生じる場合がある)
メリット●アレルギーなどのリスクが低い
●施術時間が短い
デメリット●効果の持続期間は比較的短く、メンテナンスが必要
●ほうれい線の原因によっては逆にシワが深くなるおそれがある

PRP皮膚再生療法

PRP皮膚再生療法は、自分の血液を利用して肌の再生力を引き出す治療法です。採血した血液から遠心分離機でPRP(多血小板血漿)を抽出してほうれい線に注入すると、コラーゲン生成が促されることで肌の内側からハリや弾力が回復します。

アレルギーや拒絶反応の心配がほとんどなく、仕上がりが自然なのが大きな特徴です。さらに、効果の持続が長く、5年~10年ほど維持されるケースもみられます。

ただし、ヒアルロン酸のようにすぐに変化があらわれるわけではなく、効果を実感するまで一定の時間がかかる点は理解しておきましょう。

施術方法自分の血液を採血し、遠心分離器でPRP(多血小板血漿)を抽出してほうれい線に注入する
施術時間30分ほど
ダウンタイム腫れがみられる場合は1~2週間ほど続くことが多い
メリット効果の持続期間が長い(5年ほど)
自然な仕上がりが期待できる
アレルギーや拒絶反応のリスクが低い
効果が徐々にあらわれるため、周りにバレにくい
デメリット効果が実感できるまで一定の時間がかかる

PRP療法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ一度ご覧ください。

>>PRP療法(再生医療)とは?費用や効果など徹底解説

【ほうれい線のタイプ別】おすすめの美容医療

【ほうれい線のタイプ別】おすすめの美容医療

ほうれい線は、原因によっていくつかのタイプに分けられます。自分のほうれい線のタイプを知り、原因に合った治療法を選ぶことが重要です。

ここからは、ほうれい線のタイプ別におすすめの美容医療を紹介していきます。

ほうれい線がたるんでいる

顔全体のたるみが原因でほうれい線が目立つ場合は、リフトアップ効果のある施術で根本から肌を引き締めるのが効果的です。

年齢を重ねるごとに肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少し、頬の皮下脂肪が下垂するとほうれい線が深くなります。重力に逆らえず皮膚全体が下がるため、老けた印象を与えやすくなります。

ほうれい線がたるんでいるタイプの方は、皮膚の深い層から引き締める「医療HIFU(ハイフ)」や、物理的に頬の位置を引き上げる「糸(スレッド)リフト」がおすすめです。どちらもたるみの原因に直接アプローチし、リフトアップ効果が期待できます。

さらに、日常的なケアとして保湿を徹底し、肌の乾燥を防ぐことも重要です。

ほうれい線がくぼんでいる

くぼみタイプのほうれい線は、ボリュームを補う注入治療で内側から持ち上げるのが効果的です。

骨格的に小鼻の横の骨が低いと、若くてもほうれい線部分が影のように見えやすくなります。さらに、頬の脂肪が減り筋肉が衰えるとくぼみがより深く強調されます。

おすすめは手軽に試せる「ヒアルロン酸注入」や持続性の高い「脂肪注入」です。どちらもくぼんだほうれい線を内側から持ち上げ、影を目立たなくしてくれます。また、急激なダイエットは頬がこけてくぼみを悪化させるため避けましょう。

生まれつきの骨格によるくぼみも、適切な注入治療と生活習慣の見直しで改善が期待できます。

脂肪のボリュームがある

頬の脂肪が多いタイプのほうれい線は、余分な脂肪を減らす治療で改善することができます。

頬の高い位置にあるメーラーファットにボリュームがあると、重みでほうれい線が深くなります。メーラーファットが多い人は、笑ったときに頬が盛り上がり、線がくっきりでやすいのが特徴です。また、口角の横から下に向かって位置しているジョールファットも、同じようにほうれい線の原因になります。口の横がぷくっと膨れている人は、ジョールファットが多いことが考えられます。

根本的な解決を目指すには、これら原因となる脂肪細胞(メーラーファットやジョールファット)を直接取り除く「脂肪吸引」が効果的です。一方で、メスを入れたくないという場合は、超音波で引き締める「医療HIFU(ハイフ)」が向いているでしょう。

脂肪のボリュームを減らすことで、ほうれい線が軽減するだけではなく、顔全体がすっきり若々しい印象になります。

顔の筋肉が発達している

筋肉タイプのほうれい線は、発達した表情筋の動きをコントロールすることでシワを浅くする治療が効果的です。

表情のクセなどで頬の表情筋が必要以上に発達すると、ほうれい線に沿って筋張ってみえることがあります。無表情では目立たなくても、笑ったり話したりすると線がくっきりあらわれるのが特徴です。

筋肉タイプのほうれい線には、シワを内側から持ち上げる「ヒアルロン酸注入」や、口角を下げる筋肉の働きを抑える「ボトックス注射」がおすすめです。どちらも過剰な筋肉の動きやほうれい線の原因に直接アプローチし、自然な表情を保ちながらシワを目立ちにくくします。

また、表情筋トレーニングは筋肉をさらに発達させ、症状を悪化させる恐れがあるため避けましょう。

ほうれい線治療の費用目安

ほうれい線治療の費用目安

ほうれい線治療は自由診療として扱われるため、クリニックによって費用が大きく異なります。また、ほうれい線の原因や状態でも、治療の費用が変わってくることが考えられます。

ここでは、一般的な費用相場をご紹介します。

ヒアルロン酸注入40,000円~100,000円
脂肪注入50,000円~90,000円
糸(スレッド)リフト100,000円~600,000円(10本入れた場合)
医療HIFU(ハイフ)40,000円~500,000円
脂肪吸引300,000円~400,000円
ボトックス注射18,000円~30,000円
PRP皮膚再生療法100,000円~300,000円

以上の金額はあくまで目安ですので、クリニックでのカウンセリング時に詳細をしっかり確認するようにしましょう。

ほうれい線を日常から予防する方法

ほうれい線を日常から予防する方法

ほうれい線は美容医療によって消すことができますが、日頃から予防を心がけることでできないようにしたり、進行するのを防いだりすることもできます。

ここでは、日常生活で簡単にできるほうれい線対策をご紹介します。

紫外線対策を徹底する

紫外線は肌の老化を招く大きな要因です。季節や天候に関わらず、一年を通して紫外線対策を徹底しましょう。

日焼け止めには、肌の奥深くまで届きシワやたるみの原因となる「UV-A」を防ぐ指標「PA」と、肌表面に炎症を起こしてシミの原因となる「UV-B」を防ぐ指標「SPF」が表示されています。

日常生活ではSPF30・PA+++程度、屋外でのレジャーなどではSPF50+・PA++++のものを選ぶなど、シーンに合わせて使い分けましょう。

また、日焼け止めはこまめに塗り直し、日傘・帽子・サングラスなどを活用するのも有効です。

正しい姿勢を心がける

ほうれい線の予防には、正しい姿勢で生活することも重要です。猫背や前かがみの姿勢は、顔の皮膚を常に下方向へ引っ張ってしまうため、ほうれい線の原因となります。

スマートフォンを見るときは、画面を顔の高さまで上げて、頭が前に倒れないように意識しましょう。また、デスクワーク中は椅子に深く腰かけ、骨盤を立てて背筋を伸ばすと正しい姿勢を保てます。

最初は窮屈に感じるかもしれませんが、正しい姿勢を意識することで体幹の筋肉が鍛えられ、自然と美しい姿勢を保てるようになるでしょう。

こまめに保湿する

こまめな保湿もほうれい線の予防に欠かせません。肌の乾燥は肌トラブルの引き金となりますが、ほうれい線も例外ではありません。

肌の水分量が不足すると表面の柔軟性がなくなり、表情の動きによってできたシワが定着しやすくなります。この乾燥小ジワを放置すると、深いほうれい線へと進行してしまいます。

洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給し、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された美容液・乳液・クリームでしっかりと潤いを閉じ込めましょう。

乾燥が気になる目元や口元は、重ねづけするのがおすすめです。また、日中もミスト化粧水などでこまめに保湿を心がければ、潤いのある健やかな肌をキープできます。

ほうれい線を消す方法についてよくある質問

ほうれい線を消す方法についてよくある質問

最後に、ほうれい線を消す方法についてよくある質問にお答えしていきます。

ほうれい線ケアができるクリームは効果がある?

クリームなどのスキンケアだけでは、ほうれい線を消す効果に期待できません。

しかし、レチノール・ナイアシンアミドなどの有効成分が配合されたクリームは、乾燥による小ジワを目立たなくしたり、肌にハリを与えたりする効果が期待できます。そのため、予防や浅いほうれい線のケアとしては有効です。

ほうれい線ケアのクリームはセルフケアとして取り入れ、より高い効果を求める場合は美容医療を検討しましょう。

ほうれい線の治療は保険適用になる?

ほうれい線の治療は美容目的の治療とみなされるため、病気の治療とは異なり健康保険は適用されません。クリニックによっても費用が変わるため、カウンセリングでは治療費の総額や内訳もしっかりと確認しましょう。

ほうれい線を消すのにいちばん効果的なのは何?

ほうれい線を消すのにいちばん効果的な方法は、その原因によって異なります。

たとえば、たるみが原因のほうれい線の場合は医療HIFUや糸リフト、くぼみが原因ならヒアルロン酸注入や脂肪注入が効果的です。

効果的な治療法を見つけるためには、まずはクリニックで医師の診察を受け、自分のほうれい線タイプを正確に診断してもらうことが重要です。カウンセリングでそれぞれの治療法のメリット・デメリットをよく聞いたうえで、自分に合った施術法を選びましょう。

ほうれい線が目立たない人の特徴は?

ほうれい線が目立ちにくい人には、いくつかの共通点があります。まず、骨格的に頬骨が高く顔の土台がしっかりしていることが挙げられます。また、肌にハリや弾力があり、皮下脂肪がほどよく保たれているため、たるみが起こりにくいのも特徴です。

さらに、日常的に紫外線対策や保湿ケアをていねいにおこなっている・姿勢がよい・表情筋を偏らせずに使っている・笑顔が多く口角が上がっているなど、日常生活も影響しています。

まとめ

ほうれい線を消したいとお悩みの方は、ぜひ一度Z Clinicにご相談ください。

ほうれい線ができる原因は、年齢によるたるみや皮膚の老化だけではなく、骨格・姿勢・紫外線・乾燥などさまざまです。ほうれい線の改善を目指す場合は、トレーニングやスキンケアなどのセルフケアに加え、生活習慣全体を見直すことが重要です。

しかし、すでに深く刻まれてしまったほうれい線をセルフケアだけで消そうとするのは限界があります。より確実にほうれい線を改善したい方は、美容医療を検討しましょう。

Z Clinicでは、クリニック代表の江連医師自らがていねいにカウンセリングをおこない、お客様の状態に合った最適な治療法をご提案いたします。ほうれい線を消したいとお悩みの方は、ぜひ一度Z Clinicにご相談ください。

Z Clinicについて詳しくはこちらから

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