頬の脂肪注入について施術内容や注意点など徹底解説
2025.10.04
30代後半に差しかかると身体に脂肪がつきやすくなる一方、頬や上まぶた・こめかみなどの肉が落ちやすくなり、表情が暗く見えたり、疲れたように見えたりしがちです。そのため、なんとかふっくらとハリのあるフェイスラインを取り戻したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
特に、顔のなかで大きな面積を占める「頬」は、ボリュームが減るとこけて見えるだけではなく、たるみも生じやすい部位です。そこで本記事では、加齢などが原因でやせたりこけたりしてしまった頬を改善する美容医療のひとつ、脂肪注入について詳しく解説していきます。
顔痩せにお悩みの方や、ハリのある若々しいフェイスラインを目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。
脂肪注入とはどのような施術?

脂肪注入は、自分の脂肪を採取してボリュームを出したい部位に注入する施術です。
まず、二の腕・下腹部・太ももの内側などから脂肪を採取し、遠心分離機にかけて血液や麻酔液などの不要物を取り除きます。その後、加工した脂肪を気になる部分に細かく注入していくというのが施術の一連の流れです。
また、加工の方法にはいくつかの種類があり、クリニックによって採用している方法は異なります。ここでは、多くのクリニックで採用されている「コンデンスリッチファット」と「ナノファット」を紹介します。
コンデンスリッチファット
コンデンスリッチファットの施術では、遠心分離に加えてウェイトフィルターという特殊な機器で強い圧力をかけることにより、老化した細胞などの不純物を取り除いて健康な脂肪だけを抽出します。従来よりも良質な脂肪を使用するため、定着率が高く、しこりや石灰化などのリスクが低いとされています。
ナノファット
ナノファットとは、不純物を取り除いて超微細化した脂肪のことを指します。この脂肪には幹細胞が含まれているため、アンチエイジング効果にも期待ができます。また、脂肪の粒子が極めて小さいことから、皮膚の薄い部位への注入にも適しており、コンデンスリッチファットよりもさらに定着率が高いといわれています。
頬の脂肪注入が適応となる症状

頬の脂肪注入は、大きな若返り効果が期待できる施術です。
ここでは、適応となるおもな症状について紹介していきます。
やせた頬・こけた頬
頬がやせたりこけたりすると、必然的に頬骨が目立つようになるため、表情が険しく見えることがあります。脂肪注入で頬にボリュームを与えることにより、なだらかなフェイスラインと若々しい印象を取り戻すことができ、軽度のたるみも改善することが可能です。
中顔面のたるみ
年齢を重ねると、脂肪が減少するだけではなく骨も徐々に委縮していきます。その結果、頬の位置が下がり、中顔面(目の下から上唇のあいだ)がたるんで間延びした印象になってしまうのです。脂肪注入をすることにより、頬を高い位置にキープしてハリをもたせることができるでしょう。ただし、皮膚のたるみが強い場合、糸リフトなどのほかの施術と組み合わせておこなうことがあります。
ほうれい線
頬に脂肪を注入して内側から皮膚を持ち上げることにより、ほうれい線の改善にも期待できます。しかし、ほうれい線の周囲はよく動く部位であるため、脂肪の定着率が低いとされています。そのため、リーズナブルでダウンタイムの短いヒアルロン酸注入を受ける方も多くみられます。また、たるみが強く、根本的な改善を望まれている方には、切開リフト(フェイスリフト)が適応となるでしょう。
頬の脂肪注入のメリット

ここからは、頬の脂肪注入のメリットについて紹介していきます。
効果が半永久的に続く
頬の脂肪注入では、脂肪が定着したあとの効果は半永久的に持続します。
定着後の脂肪はヒアルロン酸のように吸収されることがないため、繰り返しメンテナンスをおこなう必要はないでしょう。ただし、定着率には個人差があることを考慮する必要があります。
自然な仕上がりが期待できる
自分の脂肪を採取して注入するため、見た目や触り心地など、仕上がりが自然であることもメリットのひとつです。さらに、脂肪に含まれる幹細胞がコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促すことにより、肌質の改善やたるみ・シワの予防など、アンチエイジング効果にも期待ができます。
アレルギー反応のリスクが低い
頬の脂肪注入では自分の脂肪を採取して使用するため、アレルギー反応や異物反応を引き起こすリスクが低いとされています。そのため、安全性について心配することなく施術を受けることができます。
頬の脂肪注入のデメリット

頬の脂肪注入にはさまざまなメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。
ほかの美容医療でも同じことがいえますが、施術を受ける際にはメリットだけではなく、デメリットやリスクについても理解しておくことが大切です。
ここでは、頬の脂肪注入のデメリットについて解説していきます。
脂肪の定着率の予測が難しい
頬に注入した脂肪の定着率は、おおよそ50~70%とされています。コンデンスリッチやナノリッチなど、新しい加工技術により定着率は高くなってきていますが、予測することは難しく、希望していたボリュームが得られない場合もあります。もちろん、体内に吸収されることを計算して注入量が決められますが、これには医師の経験が求められます。そのため、頬の脂肪注入を受ける際には、過去に多くの施術を手がけてきた経験豊富な医師を選ぶことが重要です。
左右差・しこり・表面の凸凹などのリスクがある
人の顔は左右対称ではなく、わずかに違いがあることがほとんどです。そのため、バランスの整ったフェイスラインに仕上げるには、骨格のゆがみや筋肉のつき方を考慮して脂肪を注入することが求められます。また、注入する部位や深さ、1か所に注入する脂肪の量が適切でないと、しこりや皮膚表面に凸凹が生じるリスクがあります。
これらのリスクは、すべて医師の技術力に起因するものです。事前にクリニックの公式サイトやSNSでビフォーアフターの写真をチェックするなど、実際の仕上がりを確認しておくとよいでしょう。
施術の身体への負担が大きい
頬の脂肪注入では、吸引部位と注入部位の両方にダウンタイムが生じます。また、ヒアルロン酸注入などの施術に比べると、ダウンタイム期間が長く、身体への負担も大きいといえます。そのため、施術を受ける際には、ダウンタイムを想定してスケジュールをたてる必要があります。
頬の脂肪注入の施術の流れ

ここからは、実際に頬の脂肪注入を受ける際の施術の流れを紹介していきます。
デザインをおこなう
カウンセリングと診察の内容をもとに、脂肪の注入部位や量を踏まえてデザインをおこない、顔にマーキングを施して脂肪注入に備えます。
脂肪を採取する
二の腕・下腹部・太ももの内側などから脂肪を採取します。皮膚をごく小さく切開し(3~5mm程度)、カニューレという管を挿入して吸引していきます。事前に局所麻酔や静脈麻酔をおこなうため、痛みを感じることはありません。
脂肪を加工する
採取した脂肪を遠心分離機などにかけ、注入用に加工していきます。加工のプロセスは、従来の脂肪注入・コンデンスリッチ・ナノファットでそれぞれ異なります。近年は、この加工技術が発達してきており、定着率や仕上がりが向上する傾向にあります。
頬に脂肪を注入する
細いシリンジ(1ccシリンジ)を使用して、加工した脂肪を頬に注入していきます。より少ない量を細かく注入することで、皮膚表面の凸凹やしこりのリスクを低くすることができます。
Z Clinicでは、脂肪注入に「マフトガン」という精密脂肪注入機器を使用しています。通常のシリンジは手打ちであるため、熟練した医師であっても1回の注入量にわずかな差があらわれます。しかし、マフトガンは1回の注入量が設定でき、機械によって自動的に同じ量を注入し続けることが可能です。また、量も1/90cc・1/120cc・1/150ccなど、細かく設定できるため、より高い定着率と自然な仕上がりに期待ができます。
当クリニックの公式YouTubeチャンネルでは、院長である江連医師がマフトガンについて解説する動画を配信しています。ご興味のある方は、ぜひご視聴ください。
アフターケア
麻酔が覚めるまでリカバリールームで休養します。ふらつきなどの症状があらわれることもあるため、タクシーでの帰宅をおすすめします。洗顔やメイクは翌日から可能ですが、そのほかの施術後の注意点を含め、医師からの指示に従うようにしましょう。
頬の脂肪注入のダウンタイムと経過

頬の脂肪注入のダウンタイムは約1週間から2週間で、脂肪を採取した部位と注入した部位の両方に生じます。
ダウンタイム中にみられるおもな症状は、以下のとおりです。
痛み
施術後3日くらいをピークに1週間ほどで徐々に治まることがほとんどです。
痛み止めを処方されることがほとんどですので、大きな心配はいらないでしょう。
腫れ・むくみ
強い腫れやむくみがみられることはまれで、いずれも1週間ほどで落ち着いていきます。
内出血
脂肪の注入部位の内出血は少ないとされていますが、あらわれた場合は3週間ほどかけてだんだん薄くなっていきます。一方、採取した部位は内出血を起こすことがほとんどで、やはり3週間ほどで治まっていきます。内出血をできるだけ抑えるためには、術後にコルセットやガードルなどで圧迫することが大切です。
拘縮
脂肪を採取した部位にみられる症状です。施術の1週間後くらいから、吸引部位の皮膚がつっぱるような感じをおぼえたり、硬くなったりします。はじめは無理にほぐしたりせず、医師から指示されたタイミングからセルフマッサージを開始します。多くの場合、3か月から6か月ほどで軽快していきます。
施術後1週間は、痛みや腫れ・内出血を最小限におさえるため、血行を促進する入浴やアルコールの摂取、激しい運動は避けましょう。シャワー・洗顔・メイクは翌日から可能ですが、患部を刺激しないように注意してください。
頬に注入した脂肪は、施術後1か月ほどで吸収が終わるとされていますが、3か月くらいのあいだは少量の吸収が続くことがあります。そのため、頬の脂肪注入の施術完成までには、3~6か月かかるとみたほうがよいでしょう。
頬の脂肪注入についてよくある質問

最後に、頬の脂肪注入についてよくある質問にお答えしていきます。
頬の脂肪注入では何ccの脂肪を注入する?
頬の状態や骨格、お悩みによっても異なりますが、注入する脂肪の量の目安はおおむね以下のとおりです。
- こけた頬をボリュームアップしたい場合
注入する部位:頬骨の下から中顔面にかけて
注入する脂肪の量: 10~20cc/片側 - ほうれい線を改善したい場合
注入する部位: ほうれい線のシワの下から口の横にかけて
注入する脂肪の量: 2~5cc/片側
頬の脂肪注入では、どのようなフェイスラインにしたいかによって注入する量も異なってきます。カウンセリングで理想とする仕上がりを医師としっかり共有することが大切です。
頬の脂肪注入で後悔する理由として多いのは?
頬の脂肪注入で後悔する理由としていちばん多いのは、「仕上がりがイメージと違った」ということでしょう。
予想以上に脂肪の吸収率が高くて頬のこけが解消できなかったり、逆に注入量が多くてボリュームが出すぎたりといったケースがみられます。また、左右差やしこり・皮膚表面の凸凹など、医師の技術力に関わる症状も後悔の理由として挙げられます。
後悔しないためには、頬の脂肪注入の施術経験が豊富で、技術力の確かな医師を選ぶことが必要です。カウンセリングでは医師に自分の希望をしっかりと伝え、リスクについてもしっかり理解したうえで施術を受けましょう。
まとめ

今回の記事では、頬の脂肪注入の施術内容やメリット・デメリット、ダウンタイムなどについて詳しく解説してきました。
頬の脂肪注入は、ボリュームを失ってこけてしまった頬、たるんで間延びした中顔面、ほうれい線などの悩みを解消できることから、これまでにも多くの方が施術を受けています。
自分の脂肪を採取して注入する脂肪注入は、アレルギー反応や異物反応のリスクが少なく、脂肪の定着後は効果が半永久的に続くというメリットがあります。しかし、定着率の予測が難しく、注入には繊細さや緻密さが求められます。そのため、頬の脂肪注入の仕上がりは、医師の技術力に大きく左右されるといっても過言ではありません。後悔しないためには、慎重に医師を選ぶことが重要です。
Z Clinicでは、脂肪注入術(自己脂肪採取+移植術)に加え、ナノファットによる施術もおこなっております。クリニック代表である江連医師がカウンセリングを担当し、お客様のお悩みやご希望に応じた最適の施術をご提案しております。たるみやシワなど、お顔に関するお悩み全般に対応しておりますのでお気軽にご相談ください。