眼瞼(まぶた)下垂の修正手術 | 美容外科医が徹底解説
2025.01.15

眼瞼下垂の手術を受けたにもかかわらず、目の開き方に左右差があるなど、思いどおりの仕上がりにならずお困りの方も多いのではないでしょうか。そのような場合、修正手術を受けることで、理想の仕上がりを目指せる可能性があります。
今回の記事では、眼瞼下垂の修正手術の内容や、手術が必要となるおもな症状について解説していきます。手術の費用相場や後悔しないためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
眼瞼下垂の修正手術について

眼瞼下垂は、目を開けようとしても十分に上まぶたが上がらず、黒目の一部が隠れてしまう疾患です。眼瞼下垂の症状により、視界が狭くなって物が見えにくい、肩こりや頭痛が治らないなど、日常生活に支障をきたす場合には再手術が検討されます。
眼瞼下垂の手術方法には、おもに上まぶたを切開して糸で留める方法と、切開せずに糸で留める方法の2種類があります。ただし、症状の程度やまぶたが垂れ下がる原因によって手術方法は異なります。
ただし、眼瞼下垂の手術をおこなっても、場合によっては再び修正するための手術が必要になる場合があります。たとえば、痛みや腫れなどのダウンタイムが落ち着いても明らかに不自然な仕上がりになっているときや、理想の目元になっていない場合などです。
1回目の手術によって皮膚の組織がダメージを受け、組織変形や癒着が生じているケースが多いため、修正手術は最初の手術よりも難易度が上がります。
最初に手術を受けたクリニックで対応してもらうという選択肢もありますが、ほかの医院での手術を検討することも大切です。
なぜなら、医師の技術不足で仕上がりが不自然になった場合、そもそも眼瞼下垂の手術自体が得意ではない可能性があるためです。その場合は、たとえ修正手術をしてもイメージどおりにならないことがあります。
眼瞼下垂の修正手術を検討するべきおもな症状

ここからは、眼瞼下垂の修正手術を検討するべきおもな症状を紹介していきます。
目の開きが悪い
眼瞼下垂の手術後もまぶたが十分に開かず、「目元が重い」などの症状が続く場合は再手術が検討されます。
手術後に目の開きが悪くなるのは、二重の幅が広すぎたり、手術中に固定した糸が外れたりといったことが原因です。
ただし手術後は腫れによって目が開けにくい状態になりやすいため、腫れが引いても症状があらわれる場合に修正をおこなうのが一般的です。
目の開き方に左右差がある
眼瞼下垂の手術後に左右差の度合いが強い場合も、修正手術が検討されます。基本的には、開きが大きい側と小さい側のどちらかに合わせて修正をおこないます。
ただし、ほとんどの人は顔に左右差があるため、完璧な左右対称の目にすることは困難な場合もあることを認識しておかなければなりません。
左右差がわずかな場合は、修正後でもあまり改善したと感じられなかったり、クリニックで手術自体を拒否されたりすることがあります。
修正手術を受けることでかえって状態が悪くなるリスクもあるため、医師とよく相談することが重要です。
目が開き過ぎている
目を普通に開けた状態で黒目が全て見えていたり、黒目のうえの白目が見えていたりすると、ビックリ目やキツい目の印象になることがあります。また見た目以外にも、目の痛みやドライアイなどが生じやすいことも問題です。
眼瞼下垂の手術によって目が開きすぎている場合は、前回の手術で生じた瘢痕(はんこん)組織を少しずつ剥がしながら目の開きを調整します。
ただし、皮膚が再び瘢痕を作って戻ろうとすることがあるため、修正をおこなったとしても完全に治らない場合があります。
二重が浅い
眼瞼下垂の手術後は、二重がやや深い印象になることもありますが、徐々に自然な状態に近づいていきます。
しかし、時間が経過するにつれて、元の状態よりも二重が浅い印象になることもあります。その場合は二重の形を修正するために、二重のくいこみ具合を強くするような再手術をおこなうのが一般的です。
二重の幅が狭すぎる
眼瞼下垂の手術後の皮膚に余りが生じ、二重の幅が狭すぎる印象になることがあります。
手術後に二重の幅が狭くなるのは、手術によって前頭部にある筋肉の緊張が軽くなったことで眉毛の位置が下がり、まぶたに余計な皮膚が生じるためです。
二重の幅が余分な皮膚によって狭くなった場合は、簡単な手術で修正できます。
二重の幅が広すぎる
二重の幅が広すぎる場合は、前回の二重の線より低めの位置で皮膚を切開するケースが多いです。
ただし、目の開きを大きくすることで二重の幅は狭くなるため、目の開き具合を調節しながら切開しなければなりません。そのため、二重の幅を広くする手術よりも難易度が高いとされています。
二重の線が予定していない位置にある
想定していなかった位置にあらわれる二重の線のことを、予定外重瞼(じゅうけん)線と呼びます。目の開き方が小さいほど起こりやすく、大きいほど起こりにくい傾向があります。
予定外重瞼線や三重まぶたができた場合は、眼窩脂肪(がんかしぼう)を充填したり、つり上げ法などの予防術式をおこなったりすることで、予定していない位置に重瞼線があらわれるのを防ぎます。
それでも予定外重瞼線が残る場合は、糸を使って重瞼線を深くする手術をおこないます。
傷痕が目立っている
上まぶたの切開で目立つ傷痕になることはほとんどありませんが、目立ってしまった場合、再手術で目立たない傷痕に修正することは可能です。治療後に傷痕が気になる場合は、傷痕を切除し、再度縫合することで目立たせなくします。
Z Clinicでは、当院オリジナルの外科手術法である「LVS切開式手術」という施術をおこなっております。LVSとは「Least Visible Scar(もっとも目立たない傷)」の略称であり、切開後もできる限り傷を目立たなくする手術法のことです。
細部にまで配慮したていねいな施術を提供することで、メイクなしでも目立ちにくい傷に仕上げることを目指します。手術後の傷痕でお悩みの方は、Z Clinicにお気軽にご相談ください。
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眼瞼下垂の手術の失敗はなぜ起こるのか?

ここからは、眼瞼下垂の手術の失敗が起こる理由について解説していきます。
医師の経験・技術力の不足
医師の経験や技術が未熟である場合、明らかに不自然な見た目になってしまうことがあります。
近年では美容クリニックの数が増える一方、一般の医療機関での研鑽を十分に積んでいない医師も増加しているため、慎重にクリニックを選ぶ必要があります。
また、医師側に豊富な経験やスキルがあったとしても、患者の希望をしっかりと汲み取ることができていない場合、患者側が仕上がりに満足できないという結果にもなり得るのです。
患者側の術後対応の問題
患者側がクリニックから指示された注意点を守らなかった場合も、手術の失敗につながる可能性があります。
例えば、術後1~2週間はアイメイクを控える、まぶたを強くこすらない、などの注意点を守らなかった場合、まぶたの左右差や二重のゆるみが生じることがあるのです。
また、以下のような姿勢で手術に臨んでいる場合も注意が必要です。
- 手術の結果に期待しすぎている
- 審美面での改善を優先して機能を犠牲にしている。
- 保険診療で手術を受ける場合、審美面で妥協してしまっている。
美容医療の施術を受ける際は、患者側も失敗のリスクを十分に理解し、期待通りの結果にならない可能性があることを認識しておく必要があります。
身体的特徴による影響
眼瞼下垂の手術の失敗には、医師側と患者側どちらの問題でもなく、以下のような身体的特徴が影響している場合もあります。
- 皮膚は伸びるため、思いのほか二重が狭くなったり、広くなったりすることがある
- まぶたの筋肉をどれだけ縫い縮めても、上がり方が十分ではないことがある
- 開眼・閉眼により上まぶたは常に動いているため、二重形成や眼瞼下垂の固定がずれることがある
医師と患者の双方が十分に気をつけて手術をおこなっても、微妙な左右差を完全になくすことはできないことを認識しておきましょう。
眼瞼下垂の修正手術の費用相場

眼瞼下垂の修正手術の費用の目安は、以下のとおりです。
二重の傷痕修正 | 片目 | 10万円〜20万円程度 |
両目 | 20万円〜40万円程度 | |
眼瞼下垂の左右差の修正 | 片目 | 10万円〜25万円程度 |
両目 | 20万円〜40万円程度 | |
眼瞼下垂で目が閉じられない場合 | 眼瞼挙筋後転の場合 | 20万円~50万円以上 |
皮膚移植の場合 | 20万円~50万円以上 |
以上の価格はあくまでも目安で、クリニックによってそれぞれ費用は異なります。また、麻酔代や薬剤処方など、オプションで金額が増える場合があるため、事前にクリニックのホームページで確認しておきましょう。
眼瞼下垂の修正手術は保険適用される?

ここからは、眼瞼下垂の修正手術における保険適用について解説していきます。
審美面における修正手術は自由診療
眼瞼下垂の手術後の仕上がりに不満がある場合は修正手術を受けられますが、見た目の改善を目的とした修正手術には基本的に保険が適用されず、自費での診療となります。
また、修正手術で実際に必要な料金と、クリニックのホームページに記載されている料金は異なる場合があります。クリニックによって修正手術にかかる費用は異なるため、事前に必要な金額を把握しておくと安心です。
日常生活で支障をきたすと診断された場合は保険診療
眼瞼下垂の手術後に、眼精疲労や肩こり・頭痛・目が乾いて痛む・目が閉じづらいなど日常生活に支障をきたしている場合、修正手術を保険適用で受けることが可能です。その場合は医師の診察が必要となります。
ただし保険診療の場合は、あくまでも疾患の治療が目的のため、仕上がりの美しさやデザインを重要視することはありません。
保険適用で手術を受けたあとに目元の仕上がりが思いどおりではなかった場合でも、症状が改善すれば手術は完了したとみなされます。
眼瞼下垂の修正手術はいつからできる?

ここでは、眼瞼下垂の修正手術は、1回目の手術を受けてからどれくらいの期間を目安に受けるべきか説明していきます。
1度目の手術を受けてから6か月程度がベスト
眼瞼下垂の修正手術をおこなう場合、最初の手術を受けてから6か月ほど空けるケースが多いです。
眼瞼下垂の手術をしたあとにまぶたの開きが悪い場合、挙筋腱膜を短縮する量が足りないことや、まぶたの腫れによって開きが悪いといった原因が考えられます。
眼瞼下垂の手術後は、たとえ腫れていないように見えても完全に腫れが引くまでには6か月程度を要します。そのため、基本的には6か月程度待ってから修正手術を受けることが推奨されます。
ただし、最初の手術からどれくらいの期間で修正手術をおこなうかは、左右差の度合いや医師の考え方によって異なります。場合によっては1週間後または3か月以内、半年後以降など期間はさまざまです。
たとえば、診察時に明らかに挙筋腱膜の短縮量が少ないと判断した場合は、6か月経たないうちに修正手術をおこなうことがあります。また、術後1週間でも腫れが少なく、明らかに開きが悪い場合も修正手術が検討されます。
眼瞼下垂の修正手術は何度でも受けられる
眼瞼下垂の手術は基本的に何度でも受けられますが、初回の手術後の状態によっては修正手術ができない可能性もあります。
また、修正手術には高度な知識や技術が必要であり、クリニックによっては手術を断られるケースもあります。
修正手術を検討している場合は、まずは手術が可能であるかを医師に診断してもらうことが重要です。
眼瞼下垂の修正手術で後悔しないためのポイント

ここからは、眼瞼下垂の修正手術で後悔しないためのポイントを紹介していきます。
眼瞼下垂の修正手術の実績・症例数が豊富なクリニックを選ぶ
眼瞼下垂の修正手術では、まぶたの状態を正確に見極めたり、前回の手術内容を正確に把握したりと、1回目の手術よりも高い技術が必要になります。適切な処置がおこなわれなければ、修正手術を繰り返し受ける必要が出てくるため慎重にクリニックを選びましょう。
クリニック選びで大切なポイントは、ホームページで医師が担当した症例写真を確認するなど、医師の技術力を見極めることです。ただし、治療前と治療後で写真が修正されていないかなどをよく確認する必要があります。
事前のカウンセリングでしっかりと相談しておく
手術を受ける前のカウンセリングで、眼瞼下垂の手術についてしっかりと相談することも重要です。手術のリスクを把握することはもちろん、仕上がりのイメージについても担当医師と綿密に相談しておきましょう。
またカウンセリングの際に、クリニック側が自分の不安や悩みに寄り添ってくれるかどうかもチェックし、複数の医院を比較検討することが大切です。
過去に受けた手術の情報を用意しておく
より確実な治療を受けるため、できればカウンセリングの際に過去の手術の情報を持参しましょう。治療内容が記載されているものや、治療経過をまとめたものがあれば理想ですが、覚えている限りのメモでも問題ありません。
手術の情報がない場合でも修正手術は可能ですが、担当医師が過去の手術の情報を理解しているほうが治療方針を決めやすくなる場合があります。
まとめ

眼瞼下垂の修正手術は、術後の目の開きの左右差や傷跡などが気になる際に検討される手術です。最初に手術を受けたクリニックでも修正は可能ですが、医師との相性や技術不足などが気になる場合は、他院を選ぶこともできます。
なお、修正手術には高度な技術が必要になるため、症例数や実績が豊富なクリニックを選びましょう。
Z Clinicでは、切開後も可能な限り傷を目立たなくする「LVS切開式手術」という施術をおこなっております。LVSとは「Least Visible Scar(もっとも目立たない傷)」の略称であり、細かな部位まで配慮したていねいな施術を提供することで、目立ちにくい傷に仕上げることを目指します。
またカウンセリングでは、患者様の不安を取り除けるよう、お悩みやご希望に沿ってシミュレーションをおこなっております。眼瞼下垂の修正手術を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。