60代の顔のたるみ改善について美容外科医が徹底解説
2025.04.04

60代になると急激に目立つようになるエイジングサインのひとつに「顔のたるみ」があります。
顔のたるみは、40代になる頃から徐々にあらわれ始めます。その頃はそれほど気にしていなかった方も、60代に入ってだんだんとたるみが強くなり、メイクやセルフケアではカバーしきれなくなったと実感されることがあるのではないでしょうか。
今回の記事では、60代の顔のたるみの原因をはじめとして、自宅でできるケアや美容医療によるたるみの治療方法について詳しく解説していきます。
60代で顔のたるみにお悩みの方は、ぜひご一読ください。
60代の顔のたるみの原因とは

はじめに、60代の顔のたるみの原因について解説していきます。
皮膚の老化
若い肌は、細胞分裂による新陳代謝が盛んにおこなわれています。特に、真皮層ではコラーゲンやエラスチンが常に生成されているため、常に肌のハリ・弾力を保つことができるのです。
しかし、年齢を重ねるにしたがって、肌のハリ・弾力を維持するコラーゲンやエラスチンの生成量は減少していきます。真皮層を支えているコラーゲン・エラスチンの減少により、皮膚が支えを失って皮下組織を支えられなくなり、たるみが生じてしまいます。
表情筋の老化
顔の筋肉である表情筋が衰えると、皮膚や脂肪を支えることができず、顔のたるみが生じてしまいます。
また、60代の方の場合、表情筋を覆うように存在している「筋膜(SMAS)」も顔のたるみに影響していると考えられています。加齢によって筋膜が緩むと、脂肪などの皮下組織を引き上げることができなくなり、口の周りや頬がたるんでしまうのです。
60代になって人と会ったり話したりすることが少なくなったという方は、無表情で過ごす時間が長くなっている恐れがあります。そのような方は、意識して表情筋を動かすことが必要です。
脂肪組織の老化
顔の脂肪は、加齢によって萎縮してしまったり、線維組織が緩んでしまったりします。その結果、弾力が失われて脂肪組織にもたるみが生じます。
皮膚と脂肪組織のあいだには無数の線維組織があります。その繊維組織には、脂肪組織が重さによって下垂してしまわないよう、しっかりと固定する役割があります。しかし、脂肪の重さに耐えきれず線維が緩んでしまうと、真皮層から脂肪組織がずれて下垂してしまうため、顔のたるみにつながってしまうのです。
骨の老化
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが減少すると、骨密度が低下することが広く知られています。骨密度の低下は、頭蓋骨の萎縮の原因にもなります。
頭蓋骨が縮むことで皮膚や皮下組織が緩み、顔のたるみをさらに加速させてしまいます。
【自宅でできる】60代の顔のたるみのケア方法

ここでは、自宅でできる顔のたるみケア方法について紹介していきます。
いずれの方法も60代の顔のたるみを根本的に改善できるケアではありませんが、継続しておこなうことでたるみが加速するのを防ぐことができます。
ぜひ、積極的に日常生活に取り入れてみてください。
保湿ケアを徹底する
年齢を重ねるにつれて皮脂の分泌は減少し、肌が乾燥してシワができやすくなります。また、新陳代謝の低下にともなってコラーゲンの生成量も減っていくため、肌のハリ・弾力を維持することができず、顔のたるみやシワへとつながってしまいます。
乾燥がひどくなると、代謝機能やバリア機能が弱まることでイジングが加速してしまうため、保湿を徹底することが重要なポイントとなります。
スキンケアのアイテムは、保湿機能が高いことだけに注目するのではなく、年齢に合ったものを選ぶようにしましょう。60代の肌は、20~30代の肌よりも角質層が約20%ほど厚くなっているため、美容成分が浸透しづらい状態になっています。年齢に合ったエイジングケアのアイテムを選ぶことで、効果的に保湿ケアをおこなうことができます。
紫外線を防ぐ
紫外線A波(UV-A)は真皮層まで到達し、コラーゲンやエラスチンの分解を促して肌にダメージを与えます。また、紫外線を浴びると、体内には大量の活性酸素が発生します。その活性酸素は、コラーゲン・エラスチンを阻害して顔のたるみを招くことがわかっています。
そのため、顔のたるみを防ぐためには、日常生活のなかで紫外線を浴びないようにすることが大切です。
紫外線は窓ガラスも通過してしまうため、室内で過ごすときも日焼け止めを塗るようにしましょう。また、外出時は帽子・日傘・サングラスを使用して、紫外線を防ぐように心がけてください。
表情筋トレーニングをする
60代の顔のたるみの原因のひとつに表情筋の老化が挙げられます。そのため、たるみを進行させないためには積極的に表情筋を使うことが大切です。
ここでは、仕事や家事の合間に簡単にできる表情筋トレーニングを紹介します。
【あ・い・う・え・おトレーニング】
1.口を大きく開けて「あ」と発声する
2.口角を大きく引き上げて笑顔をつくり「い」と発声する
3.口を前に突き出して頬をすぼめながら「う」と発声する
4.口角を大きく引き上げて「え」と発声する
5.口を前に突き出した状態で「お」と発声する
それぞれ発声した時の状態を5秒キープします。(声は出さなくてもOK)
5回を1セットとして、1日に2回おこなうとよいでしょう。
顔のマッサージ・ストレッチを取り入れる
マッサージやストレッチに即効性はありませんが、顔のたるみが加速することを防ぐ効果に期待できます。
ここでは、ほうれい線の改善に期待できるマッサージと、フェイスラインのたるみに効果的なストレッチを紹介します。
【ほうれい線周りの表情筋をほぐすマッサージ】
1.頬骨の下に中指と薬指を入れて5秒間押す
2.そのまま耳に向かって小さく円を描きながらほぐすようにマッサージする(5回)
3.中指と薬指を耳の後ろに置いて5秒間押す
4.そのまま円を描きながらほぐすようにマッサージする(5回)
マッサージをおこなうときは、肌の摩擦を避けるためにクリームやオイルを塗っておこないましょう。
【フェイスラインのたるみに効果的なストレッチ】
1.顔をゆっくりと上に向けて天井と水平になるところで止める
2.唇を閉じたまま天井に向かって突き出す(5秒間キープ)
息を止めずに、鼻から呼吸をしながらおこないましょう。
【美容医療】60代の顔のたるみの治療方法

さまざまな老化の影響で生じた60代の顔のたるみは、セルフケアやエステサロンでのケアだけで改善することは難しいでしょう。しかし、美容医療による治療を受けることで、たるみの根本的な改善や若返りの効果に期待することができます。
ここからは、60代の顔のたるみに効果的な治療方法を紹介していきます。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸を顔のたるみが気になっている部位に注入し、ボリュームやハリを出すことでたるみを改善することができます。
注射だけでおこなうことができ、美容医療のなかでは比較的ダウンタイムが少ないことから、年齢を問わずに人気のある施術です。また、ヒアルロン酸は体内に存在する成分であるためアレルギーのリスクが低く、すぐに効果が実感できることもメリットです。
なかでも、口周りのたるみやほうれい線、脂肪の減少が原因のたるみに効果を発揮します。ただし、注入したヒアルロン酸は体内に吸収されていくため、効果が持続するのは半年~2年とされています。そのため、効果を維持するには定期的なメンテナンスが必要となります。
PRP療法
近年注目を集めている治療方法に、PRP療法があります。
PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)のことで、採血した自分の血液からPRPを抽出し、そのPRPの治癒力を活用してエイジングケアをおこなう再生医療をPRP療法といいます。自分の血液から抽出した成分を使用するため安全性も高く、効果も約5年~10年持続します。また、仕上がりが自然で周りにバレにくいこともメリットのひとつです。
ただし、PRP療法は効果があらわれるまでに3~6か月ほどかかるため、即効性には期待することができません。
医療HIFU(ハイフ)
高密度の超音波を肌に照射し、顔の脂肪を溶解させたり、筋膜を引き締めたりすることで顔のたるみに働きかける治療方法です。
医療HIFU(ハイフ)照射で熱エネルギーを受けた細胞は、回復の過程でコラーゲンやエラスチンの生成を促します。その作用により肌のハリ・弾力の改善に効果が期待でき、たるんでしまった脂肪の燃焼や、皮膚・筋膜の引き締めにも効果があるといわれています。
一方で、効果の持続期間が3か月と短く、1回の施術費用の相場も4~50万円と高額なため、継続して治療を受けられるかを考慮する必要があるでしょう。
ラジオ波(RF)
ラジオ波(RF)とは、真皮層から脂肪組織まで高周波の熱エネルギーを与えることで、コラーゲンの生成・収縮促進さる治療方法です。しかし、筋膜には熱エネルギーが到達しないため、真皮層・脂肪組織が原因のたるみに限り有効だとされています。
顔のたるみのほか、肌のハリ・弾力、ほうれい線の改善に効果があるとされており、痛みもごくわずかでダウンタイムがほとんどないことがメリットです。
糸(スレッド)リフト
糸リフトは、細かい突起(コグ)のついた糸を皮膚の下に通し、皮下の組織に引っかけることでたるみを引き上げる治療方法です。
メスを使用せず、こめかみ近くの部位にごく小さな穴をあけて糸を挿入するため、ダウンタイムも比較的少なく、美容医療が初めての方にも受けやすい治療だといえます。また、挿入した糸の刺激による細胞の活性化でコラーゲンの生成が促進されるため、肌質の改善にも期待ができます。
糸リフトで使用する糸の素材やタイプにはいくつかの種類がありますが、一般的には体内で溶けて吸収される糸(吸収糸)が使用されます。そのため、糸の種類にもよりますが、効果の持続期間は半年~2年程度です。
糸リフトによる効果を維持していくためには、定期的に糸リフトの治療を続ける必要があります。
切開フェイスリフト
切開フェイスリフトは、皮膚を切開して筋膜(SMAS)を引き上げることにより、根本的にたるみを治療する方法です。施術時に余分な脂肪や皮膚も除去することができるため、
確実なリフトアップ効果を期待することができます。
頬や口元はもちろん、目元や首のたるみやシワも一度の施術で解消でき、その効果は半永久的に持続します。そのため、ほかの施術よりも若返り効果が高いといわれています。
切開をともなうためダウンタイムがやや長く、費用もほかの施術より高くなりますが、繰り返しメンテナンスを受ける必要がないことを考慮すると、コストパフォーマンスは決して悪くはないでしょう。
また、切開フェイスリフトは60代の顔のたるみ治療に非常に効果的ではありますが、施術には高い技術力と豊富な執刀経験が求められるため、慎重に医師・クリニックを選ぶことが重要です。
【施術症例】Z Clinicでの60代の顔のたるみ治療
前項では、60代の顔のたるみの治療方法として、切開フェイスリフトが大きな効果をもたらすことを説明いたしました。しかし、「実際にどれくらいの効果があるのか」「傷跡は残るのか」など、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、Z Clinicでの切開フェイスリフトの施術症例を紹介します。

こちらは、Z Clinicの独自の特殊手術である「LVS切開式フルフェイス(ネック)リフト」の施術を受けられたお客様(60代女性)です。
術前は、頬や口元・アゴの下や首にたるみやシワが強くみられました。しかし、術後は顔全体がリフトアップしていることに加え、ネックリフトもおこなったことでアゴや首のたるみ・シワも解消され、すっきりとしたフェイスラインと小顔効果があらわれています。
また、6か月後の写真では、ノーメイクでもどの部分を切開したのかわからない仕上がりになっています。
LVS切開式フルフェイス(ネック)リフトの「LVS」とは、Least Visible Scarの略で「もっとも目立たない傷」という意味です。当クリニックでは、できる限り傷跡を目立たなくするために、診察・診断・術前のケア・デザイン・施術内容・術後のケアはもちろんのこと、再生治療や傷が完成したあとの治療まで、あらゆる技術を取り揃えて「メイクなしでもばれない傷跡」を目標に施術をおこなっております。
院長である江連医師は、ミドル・シニア世代のお客様を中心に切開系のリフトアップ手術だけで数千件の執刀実績があり、カウンセリングも直接担当しております。これまでに数多くのお客様のたるみ・シワの治療をおこなってまいりましたので、60代以上で顔のたるみにお悩みの方は、ぜひ一度Z Clinicまでお問い合わせください。
>>Z Clinicの「LVS切開式フルフェイスリフト」について詳しくはこちらから
まとめ

今回の記事では、60代の顔のたるみについて、その原因や自宅でのケア・美容医療による治療方法などを紹介してきました。
60代の顔のたるみは、原因のほとんどが老化によるものであるため、セルフケアでの改善が難しく、根本的に改善したい場合は、美容医療による治療がもっとも効果的だといえます。しかし、日々セルフケアを続けることによって、たるみが加速するのを防ぐことができるでしょう。
Z Clinicでは、切開フェイスリフト以外にも顔のたるみ・シワを改善するさまざまな治療をご用意しております。院長自らによるカウンセリング・診察で、お客様にもっとも適した治療方法を提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。