二の腕の脂肪吸引とは?効果やデメリットなど徹底解説
2025.08.31

二の腕は、ダイエットや運動をしても脂肪を落とすことが難しい部位のひとつです。とくに、ミドルエイジ以降は二の腕に脂肪がつきやすくなる傾向があるため、ノースリーブのような腕があらわになるファッションを避けている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、このような二の腕の悩みを改善する「脂肪吸引」について詳しく解説していきます。脂肪吸引のメリット・デメリットをはじめ、ダウンタイムの症状や過ごし方の注意点を説明するとともに、ほかの美容医療の施術との違いも紹介いたします。
二の腕の脂肪やたるみにお悩みの方や、脂肪吸引をしたいけれど不安があるという方は、ぜひ最後までお読みください。
脂肪吸引とは

脂肪吸引とは、脂肪を減らしたい部位に応じて身体の一部をごくわずかに(数㎜)切開し、そこからカニューレと呼ばれる吸引管を挿入して皮下脂肪を物理的に除去する施術です。
脂肪吸引では脂肪細胞そのものを取り除くため、ダイエットや運動をすることなく部分痩せできるのがいちばんの特徴です。また、脂肪細胞は一度除去されると再生しないため、体重が大幅に増えない限りはリバウンドの心配もありません。
二の腕の脂肪吸引の場合、施術時間は30分~1時間程度とされていますが、吸引する範囲によって変わってきます。また、施術は静脈麻酔や笑気麻酔などを併用しておこなうことがほとんどで、術中の痛みを心配する必要もないでしょう。
また、脂肪吸引の施術方法にはいくつかの種類があり、「手動式」と「機械式」の大きく2つに分けることができます。代表的な施術方法としては、以下の3つが挙げられます。
シリンジ法(手動式) または従来法 | 注射器型の吸引機を使用して、手作業で脂肪を吸引する ※従来法では、陰圧機を使用して吸引する |
アキーセル脂肪吸引(機械式) | 前後に細かく振動するカニューレを使用し、脂肪組織をほぐしながら吸引する |
ベイザー脂肪吸引(機械式) | 脂肪だけに作用する特殊な超音波(VASER波)を照射し、脂肪を液状に溶解してから吸引する |
手動式は吸引できる脂肪の量が限られるため、大幅なサイズダウンを希望する方には向いていないでしょう。しかし、手技でおこなうことにより、繊細なデザインに対応することが可能です。また、機械式よりも細いカニューレを使用するため、ダウンタイムを短縮できることもメリットのひとつです。
一方、機械式は皮下脂肪除去率が最大80〜90%という機器も多く、一度の施術で大きな痩身効果が期待できます。ただし、吸引量が多い分、ダウンタイムの症状が手動式よりも強くあらわれる傾向があります。
二の腕の脂肪の原因

「振り袖」とも呼ばれる二の腕の脂肪は、これまであまり気にしていなかったのに、ふと気づいたらついていたという方も多いようです。ここでは、二の腕に脂肪がつく原因について解説していきます。
悪い姿勢
猫背や巻き肩などの姿勢を続けていると、上腕三頭筋(二の腕の後側)や背筋が使われず、脂肪がつきやすくなってしまいます。また、血行も悪くなることからリンパの流れも滞り、老廃物が排出されずむくみやすくなります。
デスクワークやスマートフォンの使用中はどうしても姿勢が悪くなりがちです。二の腕に脂肪がつかないようにするためにも、姿勢を正しく維持する意識が必要です。
運動不足
運動不足により筋肉量が低下すると、基礎代謝量も落ちていきます。その結果、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、余剰なエネルギーが脂肪として体内に蓄積してしまうのです。なかでも、二の腕は日常生活で大きく動かすことがないため、筋肉も弱いことが多く、脂肪がつきやすい部位でもあります。
カロリー過多
運動を習慣にしていたとしても、摂取したカロリーによるエネルギー量が消費エネルギーを超えてしまうと肥満につながってしまいます。
人の身体は消費できるエネルギー量に上限があります。そのため、自分の年齢・身体活動レベルに適切な摂取カロリー量を把握し、カロリー過多にならないようにすることが大切です。
二の腕の脂肪吸引がおすすめな人

二の腕の脂肪吸引は、以下のような人におすすめです。
- 太っているわけではないのに、二の腕だけが太い
- 二の腕のたるみ(振り袖)が気になる
- ダイエットでお腹や太ももは細くなったけれど、二の腕には変化がない
- 筋トレやエクササイズを試してみても効果がない
前項でご説明したとおり、二の腕の脂肪はダイエットや運動で落としづらいのが特徴です。そのため、ほっそりとした二の腕を確実に手に入れるには、脂肪吸引の施術を受けるのがいちばんの近道だといえるでしょう。
ただし、二の腕が太い原因が発達した筋肉である場合は、脂肪吸引の適応とはなりません。
二の腕の脂肪吸引のメリット

ここからは、脂肪吸引のメリットについて解説していきます。
ピンポイントで脂肪を減らせる
ひとことで「二の腕の脂肪」といっても、脂肪の量やつき方は人それぞれです。肘のすぐ上から二の腕全体に脂肪がついている人もいれば、二の腕の外側に張り出すようについている人もいます。
二の腕の脂肪吸引では、肩から肘にかけて美しいラインになるようにデザインをおこない、除去が必要な部位の脂肪だけを慎重に吸引していきます。このように、デザインにあわせてピンポイントで脂肪を除去できることは、二の腕の脂肪吸引の大きなメリットのひとつです。
効果が半永久的に続く
脂肪吸引では脂肪細胞そのものを除去するため、効果は半永久的に続きます。
脂肪細胞は再生しないため、脂肪吸引で物理的に取り除くことで脂肪がたまる場所が減ることになり、その結果太りにくくなるのです。また、思春期以降に脂肪細胞が増えることはほとんどないため、リバウンドを引き起こす恐れもありません。このように、施術後は定期的なメンテナンスが必要ないこともメリットだといえるでしょう。
傷跡が目立たない
二の腕の脂肪吸引の場合は、肘のシワのあいだや腕のつけ根の近くなどを切開してカニューレを挿入します。大きさも数㎜とごく小さく、洋服などで隠れやすい場所を切開するため、傷跡が目立つことはほとんどありません。
脂肪吸引の傷跡そのものは、施術後3~6か月程をかけて徐々に薄くなっていきます。
二の腕の脂肪吸引のデメリット

二の腕の脂肪吸引には、メリットだけではなくデメリットも存在します。
施術を検討されている方は、デメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。
ダウンタイムがある
ほかの美容医療と同様に、二の腕の脂肪吸引にもダウンタイムがあります。
おもな症状は痛み・内出血・むくみなどですが、どの症状がどれくらいの期間続くかは、施術方法や脂肪の吸引量・吸引範囲によって異なります。
ダウンタイムについては、別項で詳しく解説していきます。
左右差がでる可能性がある
二の腕の脂肪吸引では、両腕に対して施術をおこなうことがほとんどです。そのため、医師の技術力によっては、仕上がりに左右差が出てしまう可能性があります。
ただし、施術後のダウンタイムのあらわれ方は左右で異なることが多く、むくみや腫れが原因で一時的に太さが違ってみえることがあります。すぐに「左右差がある」と判断するのではなく、ダウンタイム中は経過をみることが必要です。
凸凹や瘢痕があらわれることがある
脂肪吸引のダウンタイムでは、皮膚表面に凸凹が生じる「拘縮」という症状がみられることが一般的です。拘縮はダウンタイムの経過とともに徐々に治まっていきますが、6か月以上経っても凸凹が改善しない場合、脂肪の取りすぎや吸引不足・取りムラなど、施術の失敗が考えられます。
また、カニューレを挿入した部位が炎症を起こして瘢痕が残ることがあります。瘢痕が生じてしまったときは、速やかに適切な処置をおこなうことで症状を軽減することができます。
いずれのデメリットも、医師の経験や技術力が影響しているといってもよいでしょう。そのため、二の腕の脂肪吸引を受けるにあたっては、医師やクリニックを慎重に選ぶ必要があります。
二の腕の脂肪吸引とほかの施術との比較

ここでは、二の腕の脂肪を取る美容医療の施術を比較してご紹介します。
それぞれに特徴が異なりますので、施術を検討する際の参考にしてください。
施術方法 | 脂肪吸引 | 脂肪溶解注射 | 脂肪冷却 (クールスカルプティング) |
---|---|---|---|
特徴 | カニューレを挿入することにより、脂肪を物理的に除去する | 脂肪を溶解する薬剤を注射することで、体外に脂肪を排出する | 脂肪細胞を凍らせて破壊し、体外に排出させる |
ダウンタイムの強さ | ★★★ | ★☆☆ | ★☆☆ |
メリット | ・一度の施術で半永久的な効果を得られる ・たるみの改善も可能 | ・切開をともなわず、ダウンタイムも短め ・ほかの施術よりも費用がリーズナブル | ・比較的広い範囲の部分痩せも可能 ・アプリケーターを装着するだけで施術できる |
デメリット | ・ダウンタイムが長く、症状も強い ・医師の技術力で仕上がりが大きく左右される | ・広範囲の部分痩せには時間とコストがかかる ・効果を実感するまでに複数回の施術が必要 | ・効果があらわれるまで2~3か月かかる ・一定の効果を得るまでに複数回の施術が必要 |
二の腕の脂肪吸引のダウンタイムと過ごし方

二の腕の脂肪吸引を検討している方の多くが心配されているのが、ダウンタイムの症状や期間です。ここからは、二の腕の脂肪吸引のダウンタイムについて解説していきます。
ダウンタイムにみられる症状
二の腕のダウンタイムにみられる症状と期間は、施術方法によって変わってきます。
ここでは、シリンジ法/従来法・アキーセル脂肪吸引・ベイザー脂肪吸引のダウンタイムについて、一覧表でご紹介します。
シリンジ法/従来法 | アキーセル脂肪吸引 | ベイザー脂肪吸引 | |
---|---|---|---|
腫れ・むくみ | 1~2週間程度 | 1~2週間程度 | 2~3週間程度 |
内出血 | 1~2週間程度 | 1週間~10日程度 | 2週間程度 |
痛みのピーク | 術後2~3日くらいまで | 術後2~3日くらいまで | 術後3~5日くらいまで |
痛みの持続期間 | 1~2週間程度 | 1~2週間程度 | 2~3週間程度 |
簡単な家事・仕事 | 2~3日後から可能 | 2~3日後から可能 | 復帰まで1週間前後 |
圧迫固定の必要期間 | 1~2週間 | 1~2週間 | 2~3週間 |
施術の完成まで | 3~6か月 | 3~4か月 | 6か月前後 |
以上のようなダウンタイムの症状のほかに、前述した「拘縮」がみられます。
拘縮は施術後3週間くらいからあらわれ、皮膚の表面が硬くなったり、凸凹が生じたりします。また、皮膚にひきつれ感をともなうこともありますが、これらは回復過程であることを示す症状であり、3~6か月をかけて治まっていくことがほとんどです。ただし、6か月以上が経過しても改善しない場合はほかの原因が考えられるため、医師に相談することをおすすめします。
ダウンタイムの過ごし方の注意点
二の腕の脂肪吸引では、ダウンタイムの過ごし方が回復にも影響を与えます。
ダウンタイム中の過ごし方のポイントをまとめましたので参考にしてください。
シャワー・入浴 | シャワーは3日後、入浴は1週間後から可能 |
運動 | 軽い運動は1週間後から可能 激しい運動は1か月控える |
飲酒・喫煙 | 飲酒は1週間程度控える 術後は最低でも1か月禁煙するのが望ましい |
圧迫固定 | 施術後は圧迫用のサポーターや下着を着用する シリンジ法・アキーセル脂肪吸引:1~2週間 ベイザー脂肪吸引:2~3週間 |
マッサージ | 拘縮の症状対策として、術後2~3週間後から開始 医師の指示にしたがっておこなう |
ダウンタイム中の過ごし方については、施術前に医師やスタッフから説明があります。不明な点がある場合は必ず確認をして、不安を解消してから施術に臨みましょう。
二の腕の脂肪吸引の費用相場

二の腕の脂肪吸引の費用は、脂肪を吸引する範囲によって異なります。
たとえば、「二の腕の内側」「二の腕の外側」「肘上」というように、吸引する部位ごとに料金設定をしているクリニックも数多くみられます。
ここでは、二の腕全周(内側・外側・うしろ側すべて)の費用の相場をご紹介します。
- シリンジ法/従来法 15~30万円
- アキーセル脂肪吸引 40~60万円
- ベイザー脂肪吸引 30~50万円
以上の金額はあくまでも目安です。クリニックによっては、麻酔代、圧迫固定用のサポーターや下着の購入代金などが別途発生することがあります。費用の詳細については、カウンセリング時にしっかりと確認するようにしましょう。
二の腕の脂肪吸引で後悔しないクリニック選びのポイント

最近では脂肪吸引のトラブルが報道されることもあったため、施術を受けることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、信頼できるクリニックを選ぶことで、そのようなリスクを回避することができます。
ここでは、二の腕の脂肪吸引で後悔しないクリニックの選び方について解説していきます。
脂肪吸引の経験・実績が豊富な医師
二の腕の脂肪吸引では繊細なデザインをおこなうことが多く、そのデザインに応じて脂肪を適切に除去することが求められます。また、人の身体はもともと左右対称ではないため、両腕の仕上がりを予測しながら脂肪を吸引しなければなりません。
そのため、二の腕の脂肪吸引を数多く手がけてきた、経験豊富な医師を選ぶことが重要です。医師のプロフィールを確認するだけではなく、クリニックの公式ホームページやSNSに掲載された症例写真でビフォーアフターもチェックしておきましょう。
ていねいなカウンセリングと明確な料金設定
医師やクリニックを選ぶ際には、最低でも3つのクリニックでカウンセリングを受けることをおすすめします。実際にカウンセリングでは、ホームページやSNSとは違うと感じることが少ないからです。
自分の話にていねいに耳を傾け、真摯に向き合ってもらえる医師であれば安心できるでしょう。ただし、施術のリスクなど、ネガティブな説明を避ける場合は注意が必要です。
また、料金設定があいまいなクリニックも避けた方がよいでしょう。前述のとおり、二の腕といっても脂肪吸引をおこなう範囲はさまざまです。施術後に「話が違う」と後悔しないためにも、料金を明確に提示してくれるクリニックを選ぶことをおすすめします。
充実したアフターフォロー体制
二の腕の脂肪吸引後、思わぬ副作用やトラブルが起こったときに対応してもらえるかどうかも重要なポイントです。術後の経過観察や相談できる窓口の有無、休日対応や対応時間帯についても確認しておくとよいでしょう。加えて、万が一失敗してしまったときの保証制度(修正のための再手術や費用返金)があれば安心です。
以上のポイントをおさえて、信頼して施術を受けられる医師・クリニックを選びましょう。
二の腕の脂肪吸引についてよくある質問

最後に、二の腕の脂肪吸引についてよくある質問にお答えしていきます。
二の腕の脂肪吸引後はどれくらいで細くなる?
二の腕の脂肪吸引では、施術後約1か月後から効果を実感しはじめることが多いようです。さらに、明らかに細くなったとわかるようになるのは、ダウンタイムのむくみの症状が治まる3か月~6か月後とされています。
二の腕の脂肪吸引をすると皮膚がたるむ?
脂肪の取りすぎや、加齢による皮膚の弾力の低下が原因で、二の腕の脂肪吸引後にたるみが生じることがあります。また、皮下脂肪を吸引する際に結合組織を傷つけてしまうと、施術後に皮膚が収縮せずたるみを招く恐れがあります。
二の腕の脂肪吸引では何cc吸引できる?
二の腕で吸引できる脂肪の量は、もともとの体型や脂肪量によって異なってきます。
痩せ型の人は200~300cc、標準的な体型の人で400~600cc、ふくよかな体型の方では600~1,000ccほどが目安となります。
まとめ

今回の記事では、二の腕の脂肪吸引について詳しく解説してきました。
二の腕の脂肪吸引は、脂肪細胞そのものを除去するためリバウンドしにくく、効果も半永久的に維持することができます。ただし、脂肪吸引には繊細なテクニックが求められるため、施術に後悔しないためには、経験が豊富で確かな技術力をもつ医師・クリニックを選ぶことが重要です。
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