顎下の脂肪吸引とは?効果やデメリットなど徹底解説
2025.09.04
顔と首の境目があいまいだったり、少しうつむくと二重顎になってしまったりする人は、どうしても顔が大きくみえてしまいがちです。ふとした瞬間に撮られた写真や窓ガラスに映った自分を見て、「いつの間にか顎の下に脂肪がついている」と気づくこともめずらしいことではありません。
顎下についた脂肪をとることができれば、正面から見たときのフェイスラインがはっきりして小顔にみえるようになり、横顔のラインもシャープに美しく整います。
今回の記事では、すっきりとしたフェイスラインを取り戻す方法のひとつである「顎下の脂肪吸引」について詳しく解説していきます。
脂肪吸引をおこなうことで得られる効果やメリット・デメリット、気になるダウンタイムなどについて紹介してまいりますので、小顔整形をご検討中の方や顎下のもたつきにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
顎下の脂肪吸引とは?

顎下の脂肪吸引とは、左右の耳の裏側と顎下の3か所をそれぞれ数mm(3~5mm程度)切開し、カニューレと呼ばれる吸引管を挿入して余分な脂肪を除去する施術です。脂肪吸引にはいくつかの施術方法があり、クリニックによって採用している方法が異なります。
脂肪吸引以外の医療ハイフや脂肪溶解注射などでは、効果を実感したり維持したりするために複数回の施術が必要なことがほとんどです。一方、脂肪吸引では脂肪細胞そのものを取り除くことから、一度の施術で理想とする仕上がりに近づけることができ、効果も半永久的に続くとされています。
ただし、顎下をはじめとした顔の脂肪吸引では、吸引する量や部位を考慮した繊細な施術が求められます。そのため、施術を受ける際には、高い技術力と脂肪吸引の豊富な経験を備えた医師を選ぶことが重要です。
顎下の脂肪吸引の施術方法

顎下の脂肪吸引にはいくつかの施術方法があります。いずれの方法も「カニューレを挿入して脂肪を吸引する」という仕組みは同じですが、吸引する方法が異なります。
ここでは、多くのクリニックで採用されているベイザー脂肪吸引・アキーセル脂肪吸引・シリンジ法の3つをご紹介します。
ベイザー脂肪吸引
ベイザー脂肪吸引では、脂肪だけに作用する超音波(ベイザー波)を照射し、脂肪を乳化させてから吸引をおこないます。カニューレも太さや形状などのバリエーションが豊富に揃っており、より細かいデザインへの対応が可能です。
また、脂肪を乳化(液状化)させるため、皮膚の浅い層から筋肉付近の深い層まで、周りの組織を傷つけることなく吸引することができます。このように、広範囲の脂肪を効率的に除去できることは、ベイザー脂肪吸引の大きな特徴だといえます。
アキーセル脂肪吸引
カニューレを前後に細かく振動させ、脂肪組織をほぐしながら吸引していくのがアキーセル脂肪吸引です。カニューレの振動により周囲の組織を傷つける恐れがあるため、皮膚の表面近くや筋肉に近い層の脂肪を除去するのは難しく、吸引できる脂肪量やデザイン性はベイザー脂肪吸引にやや劣るとされています。
しかし、吸引するのはほぐして粒状になった脂肪であるため、幹細胞が損なわれることなく豊富に含まれています。この幹細胞にはアンチエイジング効果が期待できるため、脂肪注入を前提としている場合にはアキーセル脂肪吸引が多く用いられています。
また、身体への負担やダウンタイムは、ベイザー脂肪吸引よりも軽い傾向にあります。
シリンジ法
シリンジ法では、機械を使用せずに注射器の陰圧を利用して脂肪を吸引します。手動で吸引するため、吸引する部位や脂肪の量を細かくコントロールできることがメリットですが、仕上がりは医師の技術力に大きく左右されます。
手動でおこなうため、皮下組織や血管などを傷つけるリスクが低い一方、吸引に使用する管(針)がやや太く、ダウンタイムはほかの施術方法よりも長くなる場合があります。
機械を使用しないため吸引量は少なくなりますが、顎下につく程度の脂肪の量であればシリンジ法でも対応できるでしょう。
顎下の脂肪吸引がおすすめの人

以下のような症状やお悩みがある方には、顎下の脂肪吸引がおすすめです。
- 小顔に近づきたい
- シャープなフェイスラインを目指している
- 二重顎の原因となっている脂肪を取り除きたい
- ダイエットをしても顎下の脂肪が減らない
顎下をはじめとした顔の脂肪は、ダイエットや運動・セルフケアで減らすのが難しいとされています。もたついた顎下の脂肪をダイレクトに取り除くことは、二重顎の改善や小顔への近道だといえるでしょう。
ただし、加齢などにより皮膚のたるみがみられる場合、脂肪吸引をすることでたるみの症状が強くなる恐れがあります。また、妊娠の可能性のある方や治療中の疾患がある方、極度の貧血の方は施術を受けられない場合があるため、事前カウンセリングで必ず医師に相談してください。
顎下の脂肪吸引のメリット

ここからは、顎下の脂肪吸引のメリットについて解説していきます。
二重顎を改善して小顔効果が得られる
二重顎の原因となっている脂肪を直接除去することにより、すっきりとしたシャープな輪郭になるだけではなく、小顔効果も得ることができます。正面からはもちろん、横からみたときの顔と首の境目がはっきりとするため、首そのものも細くみえるようになります。
一度の施術で劇的な変化を実感できるのは、顎下の脂肪吸引の大きなメリットだといえます。
リバウンドしにくい
リバウンドしにくいことも、顎下の脂肪吸引のメリットのひとつです。
ダイエットや運動で脂肪を落とす場合、脂肪細胞の数には変化がなく、細胞ひとつひとつの大きさが小さくなります。そのため、食事量の増加や運動不足によってリバウンドすることが考えられます。
一方、脂肪吸引では脂肪細胞そのものを取り除きます。脂肪細胞は再生することが無いため、著しく体重が増えない限りは、リバウンドすることはほとんどないでしょう。
効果が長期間持続する
脂肪細胞そのもの除去する脂肪吸引では、多少の体重の増加があったとしてもリバウンドしにくく、施術の効果を長く維持することができます。
医療ハイフや脂肪溶解注射が複数回の施術を必要とするのに対し、顎下の脂肪吸引は一度の施術で半永久的な効果が得られるというメリットがあります。
傷跡が目立ちづらい
傷跡が目立ちづらいこともメリットとして挙げられます。
左右の耳の裏側と顎下という目立たない部位を数mm切開するだけなので、正面からみたときにはほぼみえないといってもいいでしょう。顎下の傷跡は顔を上げるとみえるかもしれませんが、耳の裏側は髪でカバーすることができるため、術後の傷跡の心配も少なくて済みます。
顎下の脂肪吸引のデメリット

顎下の脂肪吸引には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。施術を検討されている方は、デメリットについてもしっかり理解しておきましょう。
ダウンタイムが生じる
施術方法によって程度は異なりますが、顎下の脂肪吸引ではダウンタイムが生じます。
しかし、脂肪の吸引量が少ないため、ほかの部位の脂肪吸引よりもダウンタイムが短く、症状も比較的軽い傾向にあります。傷跡も小さく目立ちにくい場所にあるため、マスクや髪型でカバーをすれば、施術後数日から1週間ほどで通常の生活に戻ることが可能です。
仕上がりが医師の技術力に左右される
フェイスラインの印象を大きく変える顎下の脂肪吸引では、施術する医師の高い技術力が求められます。吸引する脂肪量や部位などは、すべて医師の判断にゆだねられます。
そのため、必要な量の脂肪を吸引しきれずに効果が実感できなかったり、逆に吸引しすぎてたるみが生じてしまったりといったリスクがないとはいえません。施術を受ける際は、顎下の脂肪吸引の経験が豊富で確かな技術力をもつ医師を選ぶことが重要です。
皮膚のたるみを引き起こす可能性がある
顎下の脂肪を吸引することで、皮膚のたるみを引き起こしたり、もともと生じていたたるみが悪化したりする可能性があります。しかし、このようなリスクは、医師の確かな診察により回避することができます。
なぜなら、皮膚の状態から脂肪吸引でたるみの恐れがあると診断された場合、タイトニングや糸リフト・切開リフトといったほかの治療をあわせておこなうなど、最適な提案をしてもらえるからです。脂肪吸引後のたるみのリスク回避には、やはり慎重な医師の選択がポイントとなります。
顎下の脂肪吸引の施術の流れ

ここからは、実際に顎下の脂肪吸引を受ける際の流れを紹介していきます。
- カウンセリング・診察
当日の体調や施術についての最終的な確認をおこないます。そのあと、クレンジング・洗顔をおこないます。 - デザイン
お客様の要望に沿って、どの部位からどれくらいの量の脂肪を吸引するのか、医師が慎重にデザインしていきます。 - 麻酔
施術前に麻酔を施します。多くのクリニックでは、静脈注射などにより無意識下での施術をおこなっているため、痛みを感じることはありません。 - 施術
デザインをもとに、実際に脂肪を吸引していきます。施術方法により時間は異なりますが、顎下の脂肪吸引の場合は、15分~30分で終了することがほとんどです。 - アフターケア・帰宅
施術の終了後は、麻酔が覚めるまでリカバリールームで休みます。体調に問題がなければ、術後の注意点などの説明を受けたあと、フェイスバンテージ(圧迫帯)を着用して帰宅します。
顎下の脂肪吸引の施術の流れは以上のとおりですが、クリニックによって異なる場合がありますので、不明な点は事前カウンセリングで確認しておきましょう。
顎下の脂肪吸引のダウンタイム

顎下の脂肪吸引におけるダウンタイムは、施術方法によって期間に差があり、ベイザー脂肪吸引はアキーセル脂肪吸引・シリンジ法よりもやや長い傾向がみられます。
ここからは、ダウンタイムにあらわれる症状と期間について解説していきます。
痛み
術後に筋肉痛のような痛みが生じます。
アキーセル脂肪吸引・シリンジ法では、痛みのピークは術後2~3日くらいまで続き、その後1~2週間かけて症状が徐々に治まっていきます。
ベイザー脂肪吸引の場合、痛みのピークは術後3~5日くらいまで、痛みが引くまでに2~3週間かかることが一般的です。
腫れ
腫れは、アキーセル脂肪吸引・シリンジ法で1~2週間、ベイザー脂肪吸引では2~3週間ほど続くことがありますが、少しずつ落ち着いていきます。
内出血
施術の直後から暗赤色の内出血がみられますが、その後黄色に変化していき、最終的には元の肌色へと戻ります。内出血の回復までは、アキーセル脂肪吸引がもっとも早く10日前後、シリンジ法で1~2週間、ベイザー脂肪吸引では2週間前後かかります。
しかし、顎下の場合は吸引範囲が狭いため、内出血もメイクでカバーできることがほとんどです。
拘縮
吸引部位の皮膚がつっぱったり硬くなったりする「拘縮」は、脂肪吸引特有のダウンタイムの症状です。術後1週間頃からあらわれますが、はじめは無理にほぐしたりせず、医師の指示にしたがってマッサージを開始しましょう。
シリンジ法は拘縮も比較的軽いことが多く、3週間~1か月で治まることがほとんどです。アキーセル脂肪吸引はやや長めで1~2か月程度、ベイザー脂肪吸引はタイトニングの効果があるため拘縮も強く、2~3か月をかけて徐々に回復していきます。
顎下の脂肪吸引のダウンタイム中の注意点

ダウンタイムの過ごし方によっては、施術の仕上がりに差があらわれることがあります。
顎下の脂肪吸引を受けたあとは、以下のような行為を避けるように注意してください。
フェイスバンド(圧迫帯)を使用する
施術翌日から外出時は外してもOKとしているクリニックも多いようですが、自宅にいるあいだは最低でも1週間は固定することが望ましいでしょう。
入浴・飲酒・激しい運動を控える
血行が良くなることで、施術後の痛みが強くなる可能性があります。入浴はせずにシャワーで済ませ、血行を促進する飲酒や激しい運動も1週間控えてください。
施術後3日間は患部を冷やす
吸引した部位を冷やすことにより、痛みや腫れの症状を抑えることができます。ただし、3日目以降は内出血の吸収を促すため、冷やすのを止めましょう。
頭の位置を高くして過ごす
患部に血液が集まると、ダウンタイムの症状が強くなる恐れがあります。特に、就寝時は頭の位置を少し高くするように、枕やクッションを使用して工夫するとよいでしょう。
顎下の脂肪吸引で後悔しないためには

ここでは、顎下の脂肪吸引で後悔しないためのポイントを紹介していきます。
「こんなはずではなかった」ということにならないよう、施術を受ける際の参考にしていください。
リスクについて理解する
最近は、「施術時間たったの30分」「翌日から仕事・学校に行ける」といった広告を掲載しているクリニックもあります。脂肪吸引の技術の発達もあり、施術後の痛みや腫れも少なくなってきていることは事実です。
しかし、どの施術方法であっても脂肪吸引にはダウンタイムが生じます。ポジティブな面だけに目を向けるのではなく、リスクやダウンタイムの症状・過ごし方についてもしっかりと理解するようにしましょう。
カウンセリングで希望をしっかり伝える
顎下の脂肪吸引は、脂肪を除去する部位や量によって見た目の仕上がりが大きく変わってきます。そのため、事前カウンセリングでは、デザインや施術方法などについて納得できるまで相談することが大切です。より具体的に希望を伝えるために、理想のフェイスラインに近い写真を持参するのもひとつの手段です。
過剰な脂肪吸引を望まない
できるだけ小顔になりたいと思うあまり脂肪を取りすぎてしまうと、たるみが生じたり、顔全体のバランスが悪くなったりする恐れがあります。
事前カウンセリングは、医師から吸引できる脂肪の量や仕上がりのイメージについての説明をよく聞き、納得してから施術を受けるようにしましょう。
顎下の脂肪吸引でよくある質問

最後に、顎下の脂肪吸引についてよくある質問にお答えしていきます。
顎下の脂肪吸引の値段の相場はどれくらいですか?
顎下の脂肪吸引の値段の相場は、以下のとおりです。
- ベイザー脂肪吸引 20~30万円前後
- アキーセル脂肪吸引 15~40万円前後
- シリンジ法 8~20万円前後
以上に加えて、麻酔代・薬代・フェイスバンド購入費用などが別途かかる場合があります。詳細については、カウンセリング時に必ず確認するようにしてください。
顎下の脂肪吸引は後戻りしますか?
顎下の脂肪吸引では脂肪細胞そのものを取り除くため、後戻りはしにくいといえるでしょう。ただし、体重が大幅に増えることにより、顔のほかの部位に脂肪がついてフェイスラインが変化することは考えられます。
まとめ

今回の記事では、顎下の脂肪吸引について詳しく解説してきました。
脂肪細胞を取り除く脂肪吸引は、一度の施術で大きな効果が期待できるだけではなく、リバウンドしにくいというメリットがあります。
ただし、顎下の脂肪吸引では繊細な施術が求められるため、医師の技術力が仕上がりに大きく影響します。医師やクリニックを慎重に選び、カウンセリングでは納得するまで相談することが大切です。
また、リスクやダウンタイムについても、しっかり理解しておくようにしましょう。

画像引用:Z Clinic公式インスタグラム
こちらの画像は、「LVS切開式フルフェイスネックリフト」の施術のなかで、顎下・頬・ジョールファットの脂肪吸引をおこなった50代女性の症例写真です。
「LVS」とは、Least Visible Scar(もっとも目立たない傷)の略で、ノーメイクでも目立ちにくい傷跡を目指してあらゆる技術を駆使する当クリニック独自の施術方法のことです。
術前は顎下の脂肪やたるみが目立っていましたが、術後は顎がスッキリとしたラインを描いているのがおわかりになると思います。切開リフトをおこなっているので、ほうれい線・マリオネットライン・首の横ジワも大きく改善しています。
また、リジェネラとPRPによる傷跡治療により、3か月後には傷跡がかなり目立たなくなっています。
Z Clinicでは、クリニック代表である江連医師自らがカウンセリングを担当し、お客様のお悩みやご要望をお伺いしたうえで最適な施術をご提案いたします。脂肪吸引はもちろん、お顔のたるみやシワなどあらゆる症状に対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。