前額リフトとは?費用やダウンタイムなど分かりやすく解説
2024.11.01
ふと鏡を見たとき、「おでこのシワが深くなった」「目元のたるみが気になる」など、歳をとってしまったと感じることはないでしょうか。
年齢を重ねることでシワやたるみがあらわれるのは自然なことですが、深いおでこのシワはどうしても老けた印象を与えがちです。シワ・たるみを改善してスッキリとしたフェイスラインを取り戻すことができれば、メイクやおしゃれもより一層楽しめるようになるでしょう。
今回の記事では、おでこのシワ・たるみのリフトアップ方法のひとつである「前額リフト」について詳しく解説していきます。ミドル・シニア世代の方には特に効果的な施術ですので、おでこのシワ・たるみにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
前額リフトとは
前額リフトとは、髪の生えぎわまたは毛髪内を切開し、たるんでしまった余分な皮膚を切除してリフトアップをする施術です。おでこのシワ・たるみに加えて、上まぶたのたるみや眉毛の下垂、目尻のシワ、鼻根のシワも根本的に改善できます。また、効果が半永久的に続くことも特徴のひとつです。
前額リフトは、一般的に40代以上の方に多く用いられていますが、なかでも50代から70代でたるみの症状が強い方には、大きな若返り効果が期待できます。
そのほか、前額リフトの適応となるのは以下のような人です。
- おでこにシワが深く刻まれている
- 目を閉じたときもおでこにシワが寄っている
- おでこの動きが活発でシワが多い
- おでこのたるみで眉毛が「ハの字」になっている
- 眉毛と目の距離が近い
皮膚を切開する前額リフトの施術には、不安を感じている方も多いと思います。しかし、信頼できる医師・クリニックを慎重に選んで施術を受ければ、一度の施術で上顔面のリフトアップが実現できるため納得できる結果を得られるでしょう。
前額リフトで期待できる効果
前額リフトの施術を受けることにより、おでこのシワ・たるみ以外の悩みも解消することが可能です。ここでは、前額リフトで期待できる効果について紹介していきます。
額・眉間・鼻根のシワの改善
前額リフトでは、おでこの余分な皮膚を取り除くとともに、前頭筋・皺眉筋・眉間筋を同時に切除することで眉間や鼻根のシワ改善にも期待できます。
前頭筋は、たるみによって重くなったまぶたを挙上するときに使われる筋肉です。視野を広くするために目を大きく開けようと眉毛をあげると、前頭筋が緊張することでおでこにシワが生じます。また、皺眉筋・眉間筋は、顔をしかめたり、眉を寄せたりするときに使われ、これらの表情を繰り返すことがシワの原因になります。
前頭筋・皺眉筋・眉間筋を切除することで、前額リフトの施術後におでこのシワが再現することを防ぐとともに、眉間・鼻根のシワを改善することができます。
上まぶたのたるみの改善
余分な皮膚と筋肉を切除し、一挙に引き上げることで上まぶたのたるみも同時に改善できます。上まぶたのたるみには、ボトックスリフトやヒアルロン酸リフトなどの切開をしない施術も用いられていますが、いずれも効果は4か月から長くても1年弱といわれています。半永久的な効果を望むのであれば、前額リフトによる施術がベストだといえるでしょう。
目と眉の間隔の改善
前額リフトは、毛髪の生えぎわを切開してリフトアップをおこなうため、眉毛の位置も一緒に引き上がることになります。そのため、加齢などの原因からまぶたがたるみ、眉毛と目の距離が狭くなってしまった方にも効果的です。また、おでこのたるみで眉尻が下がり、「ハの字」になってしまった眉毛も改善できます。
広い額の改善
「顔が長いことがコンプレックス」「生えぎわの頭髪が薄くなってきた」「もともとおでこが広い」といった悩みがある場合、皮膚の切除範囲などのデザインを工夫することで、額の面積を物理的に狭くすることはできます。ただし、骨格やそのほかの条件により、希望する改善レベルを実現できないことがありますので、事前に医師に相談をしておきましょう。
前額リフトのデメリット
ここでは、前額リフトのデメリットについて解説していきます。前額リフトにはさまざまな効果が期待できますが、一方でデメリットも存在します。
施術をこれから受ける方や検討しているという方は、後悔をすることがないようにデメリットについても理解しておきましょう。
傷が残る可能性がある
メスでの切開がともなう前額リフトは、医師の技術によっては傷跡が残る可能性があります。髪型で傷跡をカバーすることはできますが、強風が吹いているときや温泉にはいるときなど、おでこを隠すのが難しいこともあるでしょう。どうしても周りの人に気づかれたくないという方は、慎重に医師・クリニックを選ぶことが大切です。
効果は半永久的だがエイジングは止まらない
前額リフトは、たるんで余分になった皮膚を取り除いて引き上げるだけではなく、シワの原因となる前頭筋・皺眉筋・眉間筋も切除することで効果が半永久的に持続します。
しかし、エイジング自体が止まるわけではありません。将来的には、おでこやまぶた以外のパーツの施術が必要だと感じる可能性があります。
切開した部位に毛髪が生えなくなる可能性がある
前額リフトをおこなうと、一時的に傷の近くに毛髪が薄くなったり、生えてこなくなったりする可能性があります。施術後半年から1年くらいで回復することがほとんどですが、ごくまれに毛髪が生えてこないケースがみられます。
そのような場合は、植毛を施したり、再度切開して縫い縮めたりすることで改善が見込めます。アートメイクで毛並みを描いたり色素を入れたりすることも1つの方法です。
ダウンタイムがある
メスを用いて施術する前額リフトでは、腫れや赤み、痛みなどの生じるダウンタイムは避けることができません。しかし、傷跡は毛髪で隠せる場所にあるため、目や鼻などの施術よりも早く人前にでることができる方もいます。ダウンタイムの長さや程度については、後ほど詳しく説明いたします。
前額リフトはこのような方におすすめ
ここからは、前額リフトの施術がおすすめの人について紹介していきます。
額の深いシワを根本から改善したい方
おでこのシワが長く深く刻まれている方は、レーザー系や注入系の施術で満足する効果を得ることは難しいでしょう。なぜなら、治療効果のピークを迎える時期にはシワ・たるみの改善を実感できても、その効果は徐々に失われていくからです。
前額リフトでは、おでこのシワ・たるみ、上まぶたのたるみに対して、一度の施術でも劇的な改善が期待できます。特に、シワが深くなる50代以上のミドル・シニア世代の方におすすめの施術です。
眉毛と目の距離を広くしたい方
前額リフトでは、毛髪の生えぎわから眉上までの皮膚を剥離し、たるんで余分になった部分を切除してリフトアップするため、眉毛の位置も不自然になることなく引き上げることができます。
眉毛と目の距離が狭いとやや険しい表情にみえ、女性の場合は男性的な強いイメージを与えがちです。前額リフトは、眉毛と目のあいだを広くして顔のイメージを変えたい方にも向いている施術だといえるでしょう。
ボトックス(ボツリヌストキシン)注射に限界を感じている方
切らないリフトアップとして、ボトックス(ボツリヌストキシン)注射は人気の施術です。施術時間も約30分と短く、1回あたりの費用も数千円から50,000円程度と美容施術のなかでは比較的安価であるため、気軽にトライしやすいことが人気の理由だと考えられます。
しかし、ボトックス注射は施術後2~3か月をピークに効果が薄れていくため、改善された状態を維持するには定期的に施術を受けなければなりません。また、ボトックスの注入部位や深さ、注入量が適切ではない場合、表情が不自然になったり、眉毛の動きが悪くなったりする恐れがあります。特にたるみ、しわが強い方は、ボトックスのせいで上まぶたのたるみが悪化してしまう人がいます。
確実な効果が得られる根本的な治療を期待している方には、前額リフトの施術をおすすめします。
施術のためにまとまった休みを取れる方
メスを用いる前額リフトには、ほかの美容施術と同様にダウンタイムがあります。
痛みや腫れ・赤みがあらわれるため、顔に施術を受けたことが周囲の人にもわかってしまうでしょう。そのため、お勤めの方や人前に出る機会のある方は、施術後のダウンタイムを考慮して、ある程度の休みをとることが必要になります。
前額リフトの施術方法
前額リフトには、3つの施術方法があります。
ここからは、それぞれの施術方法と適応するケースについて説明していきます。
毛髪の生えぎわを切開する施術方法
毛髪の生ぎわを10~20㎝にわたって切開し、皮膚を引き上げる施術方法です。ジグザグに切開したり、斜めに切る(毛包斜切開)ことで、傷跡が生えぎわになじんで目立ちにくくなり、毛髪も再成長しやすくなります。生えぎわを切開する方法では、施術のデザインによっておでこを狭くすることも可能です。
毛髪内を切開する施術方法
毛髪内を切開して皮膚を引き上げる施術方法です。傷が毛髪内にあるため、ほとんどの場合前髪をあげた状態でも傷跡が見えません。ただし、生えぎわ切開よりもより広い範囲を剥離する必要があります。毛髪の生えぎわごとリフトアップするため、おでこを広くしたい方は毛髪内の切開を選ぶとよいでしょう。
内視鏡を使用した施術方法(内視鏡下前額リフト)
毛髪内に3~5か所、0.7~1cmの小さな切開部をつくります。この切開した部分から内視鏡を挿入して、おでこの皮膚を引き上げます。ほかの2つの施術のように皮膚を取り除くのではなく、剥離した皮膚を全体的にリフトアップして頭側に固定する施術です。3つの方法のなかでもっとも傷が小さいため、傷跡を残したくない方に向いている施術です。
前額リフトのダウンタイム
前額リフトのダウンタイムは、個人差はありますが1週間~2週間で、このあいだに腫れやむくみ・内出血などの症状が落ち着いていきます。抜糸は、1週間~2週間後におこなわれることが一般的です。
ダウンタイムのおもな症状と経過は、以下のとおりです。
- 痛み
施術は麻酔下でおこなうため痛みはありませんが、術後麻酔が切れたあと、軽い痛みを感じる場合があります。鎮痛剤を服用することで抑えられる程度であることがほとんどで、時間がたつとともに症状はなくなっていきます。 - 腫れ・むくみ
前額リフトの術後は、ほとんどの方に腫れやむくみの症状がみられます。目立つ腫れは1週間ほどで治まりますが、むくみは1か月~2か月続きます。 - 内出血
麻酔・施術の刺激によって、内出血が引き起こされることがあります。おでこや目の周りにあらわれ、1週間~2週間で徐々に消失していきます。 - 傷跡
施術の直後に、赤みや凹凸がみられることがあります。傷の赤みは1か月~2か月で治まり、その後、色素沈着の薄い茶色の状態を経て白っぽい色の線へと変わっていきます。術後半年~1年で、傷跡の色や傷周りの硬さも自然な状態に戻っていきます。
前額リフトでは生えぎわや毛髪内を切開するため、目立つ腫れやむくみ・内出血が治まれば、傷跡を髪でカバーすることで手術したことがほぼわからない状態になります。そのため、回復の早い方で2~3日、多くの方は1週間~10日で通常の生活や仕事に戻ることができます。
前額リフトの費用相場
前額リフトの費用相場は、以下のとおりです。
- 生えぎわ切開・毛髪内切開: 80万円~100万円
- 内視鏡下前額リフト: 110万円~170万円
クリニックによっては、麻酔料金がオプションとして設定されていたり、施術する医師によって費用が異なったりすることがあります。
前額リフトの費用は高額ですので、不明点があればカウンセリングの際に必ず確認するようにしましょう。
前額リフトの施術後の注意点
固定バンドは自分の判断で外さない
前額リフトの術後は、ダウンタイムの腫れやむくみ・内出血の症状を抑えるために固定バンドを使用します。1~2日のあいだ固定が必要になり、うっとおしいと感じることがあるかもしれませんが、自分の判断で外さないようにしてください。
血行を促進させるような行為を避ける
血行が良くなることで、腫れや内出血など、ダウンタイムの症状が悪化する恐れがあります。術後2~3日のあいだは、血行を促進する、動き回ったり、頭に血がのぼるような行為、などは避けましょう。
洗顔やシャンプー
シャワー、シャンプーは翌日からできますが、傷跡を指で強くこすることがないように気をつけましょう。洗顔・シャワーで傷を洗い、血餅などを取り除き、清潔に保つことが重要です。シャワーの後は軟膏をぬり、傷を乾かさないようにする必要があります。
メイク
傷跡以外のポイントメイクは翌日から可能です。ファンデーションなど、傷跡付近のメイクについては1週間のあいだ控えてください。また、クレンジング剤が傷跡に触れてしまうと、刺激によりダウンタイムの症状が長引くことがありますので注意しましょう。
前額リフトの副作用や合併症などのリスク
前額リフトは外科手術であるため、副作用や合併症が起こる可能性があります。リスクを避けるためにも、技術力のある医師が安全な環境で手術をおこなっているクリニックを慎重に選びましょう。
ここでは、前額リフトのリスクについて説明していきます。
皮膚の血行不良
皮膚を剥離する施術であることから、術後に皮膚の一部が血行不良になる可能性があります。軽度の血行不良であれば、軟膏の塗布により1~2週間で症状は改善しますが、場合によっては回復までに1か月以上かかることがあります。
感覚の鈍化や違和感
前額リフトをおこなうと、おでこから頭頂部にかけて感覚が鈍くなることがあります。通常は術後半年くらいまでのあいだに自然に回復しますが、完全には回復しないケースもみられます。また、施術直後に前額に鈍い痛みや違和感が生じることがありますが、徐々に症状は緩和していきます。
血腫
生えぎわから眉上までの広い範囲の皮膚を剥離するため、術後、皮下に血液が溜まる血腫ができることがあります。術中にしっかりと止血をすることによって防ぐことはできますが、クリニックや執刀する医師によっては、ドレーンを留置して血液を排出することがあります。また、術後にできた血腫には、注射器や切開により血液を抜く処置をおこないます。
感染症
前額リフトに限らず、どのような手術でも感染症のリスクはあります。万が一感染症が起こった場合は、抗生剤や小切開排膿による治療をおこないます。クリニックによっては、予防的に抗生剤を投与することもあります。
前額リフトについてよくある質問
最後に、前額リフトについてよくある質問にお答えしていきます。
すでにヒアルロン酸を注入していても手術を受けることはできる? ヒアルロン酸が前額リフトに影響を与えることはほぼないため、手術をうけることはできます。ただし、施術を受けることによって、注入したヒアルロン酸の一部が流れ出てしまうことがあります。
施術後のパーマや白髪染めはいつから可能? パーマや白髪染めに使用する薬剤は刺激が強いため、最低でも術後1か月は避けたほうがよいでしょう。痛みを感じなくても、傷跡と周辺の皮膚は敏感な状態になっています。肌が弱い場合は特に注意が必要です。
まとめ
今回の記事では、前額リフトについて詳しく説明してきました。
たるんでしまった余分な皮膚を切除してリフトアップする前額リフトは、一度の施術でも大きな若返り効果が期待できます。しかし、皮膚の切開や剥離をともない、医師の技術力が仕上がりに大きな影響を与える施術でもあるため、クリニック選びは慎重におこなう必要があります。
Z Clinicでは、特殊手術である「LVS切開式リフトアップ手術」により、多くの方のお悩みを解消してきました。LVSとは、Least Visible Scar(もっとも目立ちにくい傷跡)のことで、メイクなしでもばれにくい傷に仕上げることを目標に施術をおこなっています。
クリニック代表の江連医師は、ミドル・シニアエイジの切開リフトアップや目周りのたるみ取りだけで何千件もの執刀をおこなってきました。
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