40代の顔のたるみ改善について | 美容外科医が徹底解説
2025.01.10

40代になると、30代の頃には気にならなかったほうれい線や目の下のクマ、フェイスラインの崩れなどが目立ちはじめます。また、何となく目が小さくなったと感じている方も多いのではないでしょうか。
これらのエイジングの症状は、「顔のたるみ」が原因で生じます。
本記事では、40代の顔のたるみの原因をはじめに、たるみの予防が期待できるセルフケアや美容施術での改善方法について詳しく解説していきます。
顔のたるみにお悩みの40代の方は、ぜひ最後までご覧ください。
40代の顔のたるみの原因

はじめに、40代の顔のたるみの原因について解説していきます。
女性ホルモンの減少
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、肌のハリ・弾力を保つために欠かすことのできないコラーゲンやエラスチンの生成を促す働きがあります。
このエストロゲンの分泌は、30代の終わり頃から徐々に減少してくことが知られています。そのため、40代になるとエストロゲンの働きにより生成されるコラーゲンやエラスチンも同じように減少していき、顔にたるみが生じやすくなります。
表情筋の衰え
加齢によって顔の筋肉である「表情筋」が衰えると、顔の皮膚や脂肪を支えることができなくなり、たるみへとつながってしまいます。また、無表情でいる時間が長いことも表情筋が衰える原因になるため、20代・30代の若い方であっても注意が必要です。
紫外線の影響
紫外線のひとつである紫外線A波(UV-A)は、真皮層まで到達してコラーゲンやエラスチンにダメージを与えることがわかっています。
紫外線を浴びると、体内には大量の活性酸素が発生します。その活性酸素が肌のハリ・弾力を保つコラーゲンやエラスチンを阻害し、顔のたるみを招く原因となります。
代謝の低下
基礎代謝は年齢を重ねるとともに低下していきますが、消費エネルギーも同様に減少するため、体や顔に脂肪がつきやすくなります。
40代は肌のハリ・弾力が衰えはじめる時期でもあるため、顔についた脂肪を支えることができず、結果として顔にたるみが生じてしまうのです。
骨・靭帯の衰え
40代になる頃から、骨や靭帯に衰えがみられるようになります。顔の皮膚・筋肉を骨とつないでいる靭帯が加齢により劣化すると、顔についた脂肪や皮膚を支えることができなくなり、たるみを引き起こす原因となります。
また、近年の研究では、エストロゲンの減少により骨密度が低下すると、頭蓋骨自体も縮んでしまうことがわかっています。頭蓋骨が委縮することで顔表面の皮膚がゆるんでしまい、その結果たるみを生じさせてしまいます。
40代の顔のたるみのチェックポイント

40代であっても、人によっては顔のたるみをはっきり実感することはないかもしれません。しかし、顔のたるみのサインはあらゆる部位にあらわれています。
ここでは、本当に顔のたるみが起こっているのか、判断するためのチェックポイントを紹介していきます。
口元
マリオネットライン・ほうれい線
年齢を重ねるにつれて、コラーゲン・エラスチンが減少するとともに肌の弾力を保つ皮下組織が弱くなっていきます。そのため、頬の脂肪を支えることができなくなり、口の周りの皮膚や肉が下がってしまうことで生じるのがほうれい線やマリオネットラインです。
見た目年齢に大きな影響を与えることもあり、顔のたるみを判断する重要なポイントとなります。
上まぶた
二重の幅が狭くなった、二重だったのに奥二重になってしまったという場合は、顔のたるみがあらわれているといえるでしょう判断できます。また、二重のラインがあいまいになるというのも代表的なたるみのサインです。
これらの状態は、上まぶたを動かす眼瞼挙筋が衰え、まぶたを支えきれなくなることが原因で引き起こされます。
目の下
40代になると、肌のハリ・弾力に必要なコラーゲンやエラスチン、水分を維持するヒアルロン酸が減少して目の下がたるみやすくなります。
また、加齢とともに眼輪筋が衰えることで眼球の位置が下がり、目の周りの脂肪が眼球に押し出されることで涙袋が目立つようになることがあります。もし、以前より涙袋が大きくなっていたり、目の下がふくらんでいたりする場合は顔がたるんでいるといえるでしょう。
額
額のシワは、顔のたるみのサインのひとつです。
上まぶたにたるみが生じて目の開きが悪くなっている場合、無意識のうちに目を見開くクセがついてしまいます。目を見開く動作を続けていると、額に「表情ジワ」があらわれ、徐々にそのシワが定着していまいます。
また、顔のほかの部位と同じく、コラーゲン・エラスチンや額の皮下脂肪の減少、前頭筋の衰えもたるみの原因となります。
首
下アゴから鎖骨にかけて広がっている広頚筋(platysma)が発達すると、たるみによって緩んだ皮膚が下に引っ張られ、首の縦ジワとなってあらわれます。
この広頚筋は、年齢を重ねるとともに発達することが特徴として挙げられます。そのため、40代になると首の縦ジワが目立つようになる方が多くみられます。
40代の顔のたるみ予防・改善が期待できるセルフケア

ここからは、40代の顔のたるみの予防・改善が期待できるセルフケアを紹介していきます。
簡単におこなえるケアばかりですので、ぜひ日々の生活に取り入れてみましょう。
紫外線予防を徹底する
紫外線は肌や皮下組織に大きなダメージを与え、40代の顔のたるみの原因となります。そのため、季節を問わず紫外線対策をおこなうことが重要です。
なかでも、波長が長い紫外線A波(UV-A)は、窓ガラスを通過して室内にも届いてしまうため注意が必要です。外出するときはもちろん、室内で過ごす日でも日焼け止めを塗るようにしてください。また、外出時には帽子や日傘・サングラスを使用したり、首元を守るためにストールを巻いたりするとよいでしょう。
保湿ケアをしっかりおこなう
毎日の保湿ケアも、40代の顔のたるみを予防するポイントのひとつです。
保湿ケアはすでにおこなっているという方が多いかと思いますが、以下のような成分が含まれる基礎化粧品を選ぶとより効果的です。
- レチノール(ビタミンA)
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- ビタミンC誘導体
- セラミド
- ナインアシンアミド など
また、化粧水・美容液のあとには乳液やクリームを使用して、保湿効果が持続するようにしましょう。
表情筋を鍛える
表情筋を鍛えることで、40代の顔のたるみを改善できる可能性があります。
ここでは、簡単にできる表情筋トレーニングを2つご紹介します。
「あ・い・う・え・お」トレーニング
口を大きく動かしながら「あ・い・う・え・お」と順番に発声し、それぞれ5秒間表情をキープする(5回おこなう)
フェイスラインのトレーニング
- 顔を上に向けて、天井と水平になる位置で止める
- そのまま唇を突き出した状態で5秒間キープする(5回おこなう)
以上のようなトレーニング以外でも、常に口角を上げているようにして表情を豊かにするように心がけたり、よく噛んで食事をしたりすることでも効果が期待できます。
顔のマッサージを取り入れる
顔のマッサージで筋肉をほぐし、血流やリンパの流れを促すことで顔のたるみ予防に期待ができます。基本的なマッサージの手順は以下のとおりです。
- 2本の指で、鎖骨に沿って内側から外側へ向けてさする(5回)
- エラの後側にある耳下腺を指2本でやさしく回すようにさする(10回)
- 耳の後ろから鎖骨に向かってさする(5回)
- おでこを下から上へ引き上げる(10回)
- おでこからこめかみに向けてさする(5回)
- フェイスラインに沿って首筋に向けてさする(5回)
マッサージの仕方によっては顔のたるみを悪化させ、シワの原因にもなる恐れがあります。顔のマッサージをおこなう際には、肌との摩擦を抑えるためにクリームやオイルなどを使用するようにしましょう。また、強い力でのマッサージは、たるみをさらに悪化させてしまいますので注意してください。
40代の顔のたるみを改善する美容施術

40代の顔のたるみは、セルフケアを続けることである程度は改善することができます。しかし、即効性はなく、強いたるみには効果を期待することができません。
ここでは、40代の顔のたるみを確実に改善できる美容施術について解説していきます。セルフケアでなかなか効果が感じられない方や、たるみが強くてお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ハイフ(HIFU)
「切らないリフトアップ」として人気を集めているのがハイフ(HIFU)です。
高密度の超音波を肌に照射することにより、筋膜(SMAS)まで熱エネルギーを与えられることが大きな特徴です。
ハイフの照射により熱エネルギーを受けた細胞は、回復する過程でコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。その働きにより、肌のハリ・弾力の改善に期待ができるのです。また、下垂した脂肪の燃焼や、SMAS・靭帯・皮膚の引き締めにも効果があるとされています。
ラジオ波(RF)
ラジオ波(RF)によって真皮層から脂肪層に熱エネルギーを与え、コラーゲンの生成や収縮を促す施術です。肌のハリ・フェイスラインのたるみ・ほうれい線の改善などを目的におこなわれており、痛みが少なくダウンタイムもほとんどないことがメリットです。
ただし、筋膜までは熱エネルギーが届かないため、大きな効果が期待できるのは真皮層や脂肪層が原因で生じているたるみに限られます。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸を皮下に注入し、肌内部にボリュームをもたせることでハリやたるみを改善する方法で、美容医療のなかでもポピュラーな施術のひとつです。顔のたるみのなかでも、痩せて脂肪が落ちたことが原因のたるみ、口元のたるみやほうれい線の改善に適しています。
ヒアルロン酸はもともと体内に存在している成分であるため、アレルギー反応が起こるリスクが少なく、安全性が高いといわれています。また、施術後すぐに効果を実感できることが多いのも、ヒアルロン酸注入のメリットのひとつです。
ただし、注入したヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されていくため、効果の持続期間は6か月から長くても2年といわれています。そのため、たるみが改善した状態を維持していくためには、繰り返し施術を受ける必要があります。
プレミアムPRP
プレミアムPRPとは、自分の血液から成長因子を多く含んだPRP(Platelet Rich Plasma=多血小板血漿)を抽出し、抽出したPRPの自己治癒力を利用して顔のたるみやシワなどのエイジングケアをおこなう再生医療です。
自分の血液を使用するため安全性も高く、施術後の仕上がりも自然で効果も約5年~10年続くことから、ミドル・シニアエイジの方を中心に注目を集めている施術です。
ただし、プレミアムPRPは成長因子が皮膚の細胞に働きかけて肌を再生させるため、効果があらわれるまでには3か月から6か月ほどかかるのが一般的です。そのため、即効性には期待ができませんが、徐々にたるみが改善していくので周りにバレにくいというメリットがあります。
糸リフト
糸リフトとは、細かいコグ(突起)がついた医療用の糸を皮膚の下に挿入し、組織に引っかけることで直接たるみを引き上げる施術方法です。顔のたるみの気になる部位にピンポイントで施術することが可能で、施術の直後から効果を実感しやすいことが特徴です。また、挿入した糸の刺激で細胞が活性化されることによりコラーゲンの生成が促されるため、肌質の改善をすることもできます。
糸の種類にもよりますが、糸リフトではおもに「溶ける糸(吸収糸)」が使用されるため、効果の持続期間は長くても2~3年程度です。そのため、リフトアップした状態を保つためには、一定のペースで施術を受けなければなりません。
切開リフト(フェイスリフト)
切開リフトとは、皮膚と皮膚組織を切開し、余分な皮膚や組織を取り除いて縫い合わせることで顔のたるみを引き上げる施術です。
切開リフトでは、目元・口元、額や頬のたるみはもちろん、フェイスライン全体をスッキリとリフトアップさせることが可能です。また、首のたるみやシワの改善も可能なため、トータル的な見た目の若返り効果が大きい施術だといえます。
切開をともなうため、ほかの施術よりもダウンタイムは長めで費用も高くはなりますが、一度の施術で半永久的な効果が得られることが大きなメリットです。
40代の顔のたるみについてよくある質問

最後に、40代の顔のたるみについてよくある質問に回答していきます。
40代で顔のたるみがあらわれる人の特徴は?
40代の顔のたるみには、もともとの骨格や顔のパーツの特徴が影響している場合があります。たとえば、目の大きな人は、一般的に上まぶたや目の下にたるみが生じやすい傾向があります。同様に、骨格によってはほうれい線があらわれやすかったり、フェイスラインがたるみやすかったりもします。
また、生活習慣が顔のたるみの原因になるケースもあります。
特に、PCやスマホなどの長時間使用や、高さの合わない枕での就寝には注意しましょう。
なぜなら、いずれもアゴを引いている姿勢が続くことで、たるみを引き起こす恐れがあるからです。このように、40代の顔のたるみ予防のためには生活習慣を見直すことも重要です。
男性でもたるみの改善は可能ですか?
男性であっても、女性と同じようにセルフケアをおこなったり、美容施術を受けたりすることでたるみの改善は可能です。
最近では、40代の顔のたるみに効果的な成分の含まれた男性用基礎化粧品も数多く販売されています。また、美容クリニックで施術を受ける男性も増加しており、クリニックの公式ホームページやSNSにも男性の症例が数多く掲載されています。美容施術に興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
美顔器などを使用すれば自力でたるみを治せますか?
美顔器を使用することで、40代の顔のたるみ改善にも効果が期待できます。
ただし、正しく使用しない場合、たるみを悪化させてしまったり、シワが生じたりすることがあります。また、たるみが強い方には、効果が実感できないことも考えられます。
美容器は「たるみを治す」のではなく、たるみの改善をサポートする目的で使用するとよいでしょう。
まとめ

本記事では、40代の顔のたるみ改善について詳しく解説してきました。
40代はあらゆる加齢の影響があらわれはじめる年代ですが、顔のたるみも例外ではありません。たるみが弱く目立っていない方は、毎日ていねいにセルフケアをおこなうことで予防・改善に期待ができます。しかし、たるみが強い方は、残念ながらセルフケアだけで大きな改善効果を得ることは難しいでしょう。
そのような場合は、美容施術を受けることも選択肢のひとつとなります。
40代の顔のたるみ改善に用いられている施術にはいくつかの種類がありますが、美容クリニックのカウンセリングを受けることで、自分の悩みに合った施術を提案してもらうことができるでしょう。
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