表ハムラとは?裏ハムラとの違いやメリット・デメリット、向いている人の特徴など解説
2024.11.14
年齢を重ねるとあらわれやすい、目の下のふくらみやくぼみ、皮膚のたるみ・シワ。メイクで隠そうと思っても、デコボコしているためなかなか隠し切れず、仕方ないと諦めている方も多いのではないでしょうか。これらの悩みを一気に解決できる美容整形が表ハムラです。
しかし、「表ハムラはどんな人に向いているの?」「裏ハムラとの違いは?」といった疑問をおもちの方も多ことでしょう。
そこで本記事では、表ハムラのメリット・デメリットや裏ハムラとの違い、向いている人の特徴を紹介していきます。表ハムラで失敗しないためのポイントについても解説しますので、若々しい目元を手に入れたい方はぜひ参考にしてください。
表ハムラとは?
表ハムラ法とは、下まぶたの膨らみとへこみ、皮膚のたるみを同時に改善できる手術です。クリニックによっては「切開ハムラ法」「眼窩脂肪移動術」などと呼ばれることもあります。
表ハムラでは、下まぶたの表側(皮膚側)を切開し、たるみや膨らみの原因となっている脂肪を目の下の溝(瞼頬溝:けんきょうこう)へ移動させることで、平らにします。目袋や皮膚のたるみが強い方にも効果的で、術後は若々しくハリのある目元になります。
なお、表ハムラでは皮膚の表側から下まつ毛の際を切開するため傷跡ができますが、術後1~3か月程度で目立たなくなることがほとんどです。
表ハムラと裏ハムラの違い
ハムラ法には「表ハムラ法」「裏ハムラ法」の2種類があり、どちらも目の下の眼窩脂肪を移動させることで目の下のふくらみやくぼみを治療する点は共通しています。
しかし、手術のアプローチ方法には大きな違いがあり、皮膚表面を切開するのが表ハムラ法、下まぶたの裏側の結膜を切開するのが裏ハムラ法です。
表ハムラ法と裏ハムラ法の違いは、以下のとおりです。
項目 | 表ハムラ法 | 裏ハムラ法 |
---|---|---|
施術方法 | 下まぶたの皮膚側から切開し、眼窩脂肪を凹んでいる部分に再配置する | 下まぶたの裏側の結膜を切開し、眼窩脂肪を凹んでいる部分に再配置する |
傷跡 | あり | なし |
メリット | ・皮膚のたるみも改善できる | ・涙袋を温存できる ・外反するリスクはほぼない |
デメリット | ・涙袋が薄くなる(なくなる) ・まれに外反するリスクがある | ・皮膚のたるみは改善できない ・手術の難易度が高い |
おすすめな人 | ・50代~70代 ・目袋の膨らみが非常に強く、目袋の下の溝も深い ・涙袋がはっきりしていない | ・40代前半以下 ・皮膚の余りや膨らみが少ない ・涙袋をキープしたい ・皮膚表面に傷跡を残したくない |
ダウンタイム | 約1~2週間 | 約1週間 |
裏ハムラは、皮膚表面に傷跡が残らずダウンタイムも短いですが、余った皮膚の処理はできません。そのため、皮膚のハリが保たれている40代前半くらいまでの方に適しています。
一方、50代以上で目の下の膨らみや皮膚のたるみが大きいと、脂肪を移動させても皮膚のたるみが残ってしまいます。このような場合、目の下の余分な皮膚と脂肪を同時に改善できる表ハムラが向いています。
表ハムラのメリット
表ハムラのメリットは、次の3つです。
- 下まぶたのふくらみとくぼみを同時に改善できる
- 目の下のたるみ・シワの改善も期待できる
- 脂肪の定着がよい
ここでは、以上のメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。
下まぶたのふくらみとくぼみを同時に改善できる
表ハムラは、一度の手術で目の下のふくらみとくぼみ(くま)を改善できます。
目の下には、眼球を保護するための眼窩脂肪(がんかしぼう)があり、眼輪筋という筋肉によって支えられています。しかし、加齢により眼輪筋が衰えると、眼窩脂肪を支えきれなくなりはみ出してきます。眼窩脂肪の突出が大きくなると、目の下のふくらみが目立ち「目袋」と呼ばれる状態になるのです。
また、顔全体の皮膚のたるみにより目袋の下にくぼみができると、影になった部分がクマとなり目立ってしまいます。
表ハムラでは、眼窩脂肪を下方向に移動させることで膨らみとくぼみを同時に解消し、皮膚をフラットな状態にすることができます。
目の下のたるみ・シワの改善も期待できる
目の下のたるみやシワの改善も期待できるのは、表ハムラならではのメリットです。
表ハムラでは、眼窩脂肪を移動させた後に余った皮膚を切除できます。目元の筋肉を上に引っ張りながら縫い合わせるため、目の下のたるみやシワの改善につながるのです。
以上のように、表ハムラは目の下のふくらみ・くぼみ・たるみ・シワを一度に解消できる画期的な施術方法だといえます。
脂肪の定着がよい
表ハムラは、移動した脂肪の定着が非常によいとされています。
脂肪注入法では、太ももなど体のほかの部位から採取した脂肪を目の下のくぼみへ注入しますが、脂肪の定着率は全体の30~60%と個人差が大きい傾向にあります。
その点、表ハムラは血流のある眼窩脂肪をそのまま移動させるため、脂肪の定着がよいとされています。
表ハムラのデメリット
表ハムラには多くのメリットがあります。しかし、施術を検討する際は良い面だけではなく、注意点についても理解しておく必要があります。
表ハムラのデメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 傷跡が残る
- 涙袋が薄くなる可能性がある
- 癒着や拘縮により下まぶたが外反する可能性がある
ここでは、表ハムラのデメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。
傷跡が残る
表ハムラは皮膚の表面から切開するため、下まつ毛の生え際から約1~2mmの位置に傷跡が残ります。
傷の見えかたには個人差がありますが、3か月~6か月程度でほとんど分からない程度に治ることが多いようです。技術力が高い医師を選び、極細の糸でていねいに縫合してもらうことで、さらに傷跡は目立ちにくくなります。
涙袋が薄くなる可能性がある
表ハムラでは、涙袋が薄くなったり消失したりする可能性があります。
涙袋は下まつげのすぐ下にある眼輪筋の厚みによってできています。表ハムラでは眼輪筋を切開するため、涙袋の形が変わったり、なくなったりすることがあるのです。
ただし、医師の技術によっては涙袋を残したり、もともと無かった涙袋を作ったりすることも可能です。涙袋にこだわりのある方は、慎重に医師・クリニックを選ぶとよいでしょう。
下まぶたが外反する可能性がある
下まぶたが外反する(あっかんべーの状態になる)可能性があるのも、表ハムラのデメリットです。
下まぶたの皮膚を取りすぎると、下に引っ張られることでまぶたの裏側の粘膜が見えてしまうことがあります。また、眼輪筋を剥がすときに一時的な麻痺が起こり、下まぶたを持ち上げられなくなることも原因のひとつです。
さらに、手術の際に下まぶたを大きく剥がすと傷ができますが、傷が治る過程で皮膚が縮んで引っ張られます。その結果、下まぶたが下がった状態で固定される拘縮(こうしゅく)が生じることもあります。
外反が起こっても、一時的な眼輪筋の麻痺や拘縮が原因であれば約1~3か月程度で落ち着きます。しかし、皮膚を取り過ぎている場合は自然回復が難しいため、皮膚移植などの修正手術が必要になります。
表ハムラが向いている人の特徴
これまで紹介したメリット・デメリットをもとに、表ハムラが向いている人の特徴をまとめました。
- 50代以上の人
- 目の下の膨らみ・くぼみだけでなくたるみやシワも改善したい人
- ダウンタイムが長く取れる人
50代以上になると皮膚のたるみが大きくなりますが、表ハムラ法であれば目元の悩みを一気に解消できます。一方、目元にハリがあり皮膚の余りが目立たない人には裏ハムラが適しています。
表ハムラの料金相場
表ハムラの施術料金はクリニックによって幅がありますが、相場は約30万円〜60万円です。
なお、施術料金のほか、診察料や麻酔代・薬代などの追加料金が発生することがあるため、事前に確認しておきましょう。
表ハムラの施術の流れ
表ハムラ法を受ける際の一般的な流れは、以下のとおりです。
- 医師の診察・カウンセリング
- 洗顔
- デザイン・マーキング
- 麻酔
- 施術
- アフターケア
- 1週間後に抜糸
順を追って詳しく解説していきます。
医師の診察・カウンセリング
診察・カウンセリングでは医師が目元の状態を確認し、表ハムラの適応を見極めたうえで施術内容やリスクなどについて詳しく説明します。手術を受けることが決まったら、施術日の予約を取ります。
洗顔
施術当日はクレンジングと洗顔をおこない、メイクや皮脂などの汚れを落とします。手術中はコンタクトレンズを外す必要があるため、必要に応じてメガネを持参しましょう。
デザイン・マーキング
目元のふくらみやくぼみの状態を確認し、シミュレーションしながら切除範囲を決定します。また、切開部をマーキングします。
麻酔
次に、切開する部分に点眼麻酔と局所麻酔をおこないます。静脈麻酔や笑気麻酔を使用できるクリニックもあります。
Z Clinicでは静脈麻酔により、完全に無意識の状態で手術をおこなうことが可能です。手術中に痛みを感じることもなく、記憶も一切ないため、安心して手術を受けていただけます。
施術
麻酔が効いていることが確認できたら、手術をおこないます。下まつ毛の生え際から1~2mm下を切開し、眼輪筋も切開します。
たるみの原因となっている眼窩脂肪を移動させ、縫合固定します。必要に応じて余分な脂肪や皮膚を除去し、切開部を縫合します。手術時間は1~2時間程度です。
アフターケア
手術後は少し休み、体調が落ち着いたらそのまま帰宅できます。ダウンタイムの過ごし方など、不明点や不安なことがあれば確認しておきましょう。
1週間後に抜糸
約1週間後に通院し、抜糸します。抜糸の翌日以降は目元のメイクが可能なため、コンシーラーなどで傷跡をカバーできます。基本的に抜糸後は通院する必要はありませんが、不安なことがあればクリニックへ連絡しましょう。
表ハムラ手術後の注意点
表ハムラの手術を受けたあとは、以下の点に注意して過ごしましょう。
- 施術後2日間は目元を冷やす
- 飲酒や運動は1週間程度控える
- できるだけ目元に触れない
- 寝るときは頭を高くする
- 抜糸までアイメイクやコンタクトレンズの使用を控える
それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。
施術後1~2日間は目元を冷やす
施術後1~2日間は、ハンカチに包んだ保冷剤などで目元を冷やしましょう。患部を冷やすことでダウンタイムの軽減につながります。3日目以降は冷やすのをやめ、腫れが引くのを待ちましょう。
飲酒や運動は1週間程度控える
飲酒や激しい運動など、血流が良くなる行為は腫れが悪化する可能性があるため、術後は1週間程度控えるようにしましょう。入浴も血行が促進されるため、1週間はシャワー浴をおすすめします。
できるだけ目元に触れない
術後は目元に触れないよう注意し、清潔を保ちましょう。頻繁に目元を触ると、腫れや内出血が悪化したり、感染症のリスクが高まったりする可能性があります。
寝るときは頭を高くする
頭が心臓よりも低い位置にあると、血液が顔に集中し、目元の腫れや内出血が悪化する可能性があります。そのため、就寝時は枕やタオルなどで頭の位置を高くするのがおすすめです。うつぶせや横向きの寝姿勢も血液が偏ってしまうため、仰向けで寝るようにしましょう。
抜糸までアイメイクやコンタクトレンズの使用を控える
約1週間後の抜糸までは、アイメイクやコンタクトレンズの使用も控えましょう。なお、目元以外のメイクは施術直後から可能ですが、メイク落としは拭き取りタイプを使用してください。
表ハムラのリスク・副作用
表ハムラでは、以下のようなリスクや副作用が生じる可能性があります。
- 施術部位の一時的な知覚の麻痺・鈍さ・痛み・しびれ・かゆみ
- むくみ
- 仕上がりの左右差
- 顔の雰囲気の変化
- たるみが残る
- 傷痕の凹凸・凹み
できるだけリスクを回避するためには、技術力が高く信頼できる医師を選ぶことが重要です。術後、気になる症状があればクリニックに相談しましょう。
表ハムラのダウンタイムと傷跡の経過
表ハムラ法を受けたあと、目元に腫れや内出・、むくみが生じることがありますが、術後1~2週間かけて徐々に消失していきます。なお、ダウンタイムの症状には個人差があり、腫れやむくみ・違和感が1か月以上続くこともあります。
また、術後2週間程度は血液の混ざった涙が出たり、目やにが増えたりすることがありますが、問題はありません。ティッシュなどでやさしくふき取ってください。
傷跡は、赤みや硬さがしばらく続きますが、1~3か月程度で白い線の傷跡に変化して目立ちにくくなります。
表ハムラで失敗しないためのポイント
表ハムラは目元の若返りに効果的な治療ですが、技術力が必要な術式のため失敗のリスクがともないます。しかし、以下のポイントを押さえておくことで失敗の可能性を低くすることができます。
- 技術力が高く信頼できる医師を選ぶ
- カウンセリングで自分の希望をしっかり伝える
- 内容を十分に理解したうえで施術を受ける
- ダウンタイム中の注意点を守る
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
技術力が高く信頼できる医師を選ぶ
表ハムラで失敗するリスクを避けるためには、経験豊富で技術力が高い医師を選ぶことが重要です。
たとえば、医師の技術不足で皮膚を取り過ぎると、下まぶたが外反してしまい修正手術が必要になります。また、縫合がていねいにおこなわれないと、目立つ傷跡が残ってしまう可能性もあります。
しかし、技術力の高い医師が適切に処置をすれば、このような失敗はほとんど起こりません。クリニックの公式サイトに掲載されている医師の経歴や実績、表ハムラの症例写真を確認し、よく検討して医師を選びましょう。
カウンセリングで自分の希望をしっかり伝える
医師とのコミュニケーション不足は、「こんなはずではなかったのに」と後悔してしまう可能性へとつながります。理想の仕上がりを目指すには、医師とのカウンセリングやシミュレーションを通して除去する脂肪の量や切除する皮膚の量を適切に判断する必要があります。
失敗を防ぐためにも「どのような仕上がりを希望しているのか」という希望をできるだけ細かく伝えましょう。
内容を十分に理解したうえで施術を受ける
表ハムラは、眼窩脂肪の再配置と同時に余った皮膚の切除もできるため、目の下の膨らみ・くぼみ・たるみ・しわを一気に改善できるのが大きなメリットです。
しかし、皮膚表面を切開するため技術がない医師が行うと1ヶ月から3ヶ月くらい傷跡が目立ち、涙袋がなくなってしまう可能性もあります。後悔しないためには、このようなデメリットについても理解して、納得したうえで施術を受けることが大切です。
ダウンタイム中の注意点を守る
表ハムラは皮膚を切開・縫合するため、術後は患部が非常にデリケートな状態になっています。強い刺激が加わると腫れや内出血が悪化したり、傷の治りが遅くなったりする可能性があるため、クリニックから説明を受けた注意点を必ず守りましょう。
表ハムラでよくある質問
最後に、表ハムラでよくある質問について回答していきます。
表ハムラを受けられない人は?
以下にあてはまるものがある人は、表ハムラの施術を受けられません。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある
- 授乳中である
- 感染症を発症している
- 血液をサラサラにする薬(抗血液凝固剤)を服用している
- 治療部位に重度の傷や皮膚疾患がある
- 糖尿病等で血糖値のコントロールが難しい
そのほか、肌の状態や健康状態によっては施術を受けられない可能性があるため、詳しくはクリニックに確認しましょう。
手術中に痛みはある?
表ハムラの手術前には点眼麻酔や局所麻酔をおこなうため、手術中に痛みを感じることはありません。術後に麻酔が切れると痛みが生じますが、痛み止めの薬を服用することで軽減することができます。なお、Z Clinicでは、施術後の痛みを約72時間軽減できる局所麻酔(エクスパレル)の使用が可能です。
アートメイクをしていても施術を受けられる?
アートメイクをしていても施術を受けられます。まつげの下の切開ラインにアートメイクがある場合は、傷跡が目立たないようにアートメイクの下のふちから切開する可能性があります。
施術後にクマやたるみが再発することはある?
表ハムラで移動させた眼窩脂肪は、定着が非常によいとされており、たるみやくぼみが再発するリスクは低いと考えられます。ただし、手術しても老化は進むため、数十年後に目の下が再びたるんでしまう可能性はあります。
まとめ
表ハムラ法は、目の下の脂肪を膨らんでいる部分からくぼんでいる部分に移動させ、皮膚をフラットにする手術です。余った皮膚も切除できるため、たるみやシワの改善も期待できます。
なお、理想の仕上がりを目指すには、経験豊富で信頼できる医師を選ぶことが重要です。
Z Clinicでは、たるみ取り・リフトアップ手術専門の美容クリニックとして「LVS切開式 目の下切開リフト」による施術をおこなっています。LVSとは「Least Visible Scar(もっとも目立ちにくい傷跡)」のことで、メイクなしでもばれにくい傷に仕上げることを目指し、より細部にまで配慮したていねいな施術を提供しています。
なかでも「LVS切開式 目の下切開リフト」では、当クリニック代表の江連医師の施術により傷が消えたような仕上がりにすることが可能です。
また、カウンセリングでは、ご希望やお悩みに沿ってシミュレーションをおこない、手術に関する不安を取り除けるよう努めています。カウンセリングのみでも問題ございませんので、治療を受けるか悩んでいる方も、どうぞお気軽にご相談ください。